君が見ている景色を僕も知りたい……

こちらの物語はタイトルを読んでも、決してその物語の全貌はわからない。

だからこそ僕は「筆者様の本気」を感じた。そもそもタイトルに造語を当てるという行為は、「自らの価値観をぶちまけた物語を書きます」と宣言している気がしてならない。

もちろんこれはただの推測であり、あるいはそんな意味などないのかも知れない。だけど僕はそういう気概を強く感じてしまう。例えるなら、それはヒーローの「必殺技」と同じだ。「これはなぁ、普通じゃないんだよ!」という勢いを、このタイトルから僕は感じた。

さて、こちらの物語を語る上で僕は重要なキーワードが思い浮かぶ。

それは何かといえば、「孤独」だ。

思春期において、いや、人生においてでもいいけれど、皆様は「自分を理解してもらえない」という感情を抱いた事があるだろうか? 

自分にだって問題があるというのもわかるし、100%の理解なんてないのも知っている。だけど、学校のクラスにおいて、もしくは会社でもいいし、それが大切な友人でも恋人でもいい、あなたが考える「自分」と相手や周囲の考える「自分」に、「耐えられないギャップ」があった時どうなってしまうか。 

これは誰にでも起こり得る「悲劇」で、自分の意見が捻じ曲げられて理解されたり、誰も耳を傾けてくれなかったり、勝手に変な期待をされ挙句に失望されたりと、とにかくなにもかもがうまくいかなくなってしまう。そういう覚えがあるだろうか?

そして、そんな時に胸に渦巻く「行き場のない感情」、特に思春期においてそれは、酷く辛い思い出になってしまうと僕は思う。

この物語の主人公は、そういうどうしょうもない感情を抱き、ひたすら「孤独」を彷徨う存在に僕は思えてしまう。だから、もし皆様の中でそんな「孤独」を体験した人がいるならば、きっとこの物語を正しい意味で理解出来ると思う。

ゆえに、強くお勧め致します。

最終話直前に僕はこのレビューを書いてます。こちらの物語はSF要素やとんでもなく派手な戦闘シーン、勿論魔法だってあるし、ドラゴンだって出て来るけれど、僕は主人公の彼が抱える本質的な「孤独」、それが物語のエンディングにおいて、「どうか救われて欲しい」と祈っています。

皆様、なにとぞ宜しくお願いします。

あっ、そして素晴らしいと思ったら方々で是非宣伝して下さい(笑)( ;∀;)

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