どこかにありそうなよくある話、ではないこと。
独創性と作者ならではの世界観。
わかっていてもそれを書くのは難しいものです。
あまりにも自分だけの世界になりすぎてしまえば、読者には
「???」
になってしまう可能性がある。
物語をいかに特別なものにしつつ読者に届けるか、は書き手の永遠の課題です。
このお話はそこのバランスがとてもいい。
完全なるオリジナルの世界でありながらも、きちんと読者の心を捕らえている。
さぁ、おいで、と手招きされるままに、どっぷりと浸かることが出来る。
別の世界へと連れて行ってもらえる感覚は、読んでいてとても小気味いい。
どうぞ皆様も、味わってくださいませ。
こちらの物語はタイトルを読んでも、決してその物語の全貌はわからない。
だからこそ僕は「筆者様の本気」を感じた。そもそもタイトルに造語を当てるという行為は、「自らの価値観をぶちまけた物語を書きます」と宣言している気がしてならない。
もちろんこれはただの推測であり、あるいはそんな意味などないのかも知れない。だけど僕はそういう気概を強く感じてしまう。例えるなら、それはヒーローの「必殺技」と同じだ。「これはなぁ、普通じゃないんだよ!」という勢いを、このタイトルから僕は感じた。
さて、こちらの物語を語る上で僕は重要なキーワードが思い浮かぶ。
それは何かといえば、「孤独」だ。
思春期において、いや、人生においてでもいいけれど、皆様は「自分を理解してもらえない」という感情を抱いた事があるだろうか?
自分にだって問題があるというのもわかるし、100%の理解なんてないのも知っている。だけど、学校のクラスにおいて、もしくは会社でもいいし、それが大切な友人でも恋人でもいい、あなたが考える「自分」と相手や周囲の考える「自分」に、「耐えられないギャップ」があった時どうなってしまうか。
これは誰にでも起こり得る「悲劇」で、自分の意見が捻じ曲げられて理解されたり、誰も耳を傾けてくれなかったり、勝手に変な期待をされ挙句に失望されたりと、とにかくなにもかもがうまくいかなくなってしまう。そういう覚えがあるだろうか?
そして、そんな時に胸に渦巻く「行き場のない感情」、特に思春期においてそれは、酷く辛い思い出になってしまうと僕は思う。
この物語の主人公は、そういうどうしょうもない感情を抱き、ひたすら「孤独」を彷徨う存在に僕は思えてしまう。だから、もし皆様の中でそんな「孤独」を体験した人がいるならば、きっとこの物語を正しい意味で理解出来ると思う。
ゆえに、強くお勧め致します。
最終話直前に僕はこのレビューを書いてます。こちらの物語はSF要素やとんでもなく派手な戦闘シーン、勿論魔法だってあるし、ドラゴンだって出て来るけれど、僕は主人公の彼が抱える本質的な「孤独」、それが物語のエンディングにおいて、「どうか救われて欲しい」と祈っています。
皆様、なにとぞ宜しくお願いします。
あっ、そして素晴らしいと思ったら方々で是非宣伝して下さい(笑)( ;∀;)
何から書けば良いのか。
何を書いても褒め言葉にしかならない作品です。
どうぞ迷わず手にとってお読みください。
おわり
と、しても良いくらいの作品ですが、私のオススメポイントを少しばかり。
まず、圧倒的スケールで創り込まれた世界観。親しみがある言葉がたくさん並べられながらも、その全てが新しい創作の世界だと言うこと。これはもう、SF+異世界ファンタジーではありません。SF✕異世界ファンタジーの融合作品とも言うべき、普通では手が付けられない創作です。そう。普通ではありません。(良い意味で)鬼才。その世界観に圧倒されて、恐れ慄けば良い。極上の才能に(良い意味で)恐怖するでしょう。
設定の量。深さ。広さ。に感動してください。そこの路傍の石をめくって観てください。そこに蠢く宇宙を感じますよ!(誇張しております)と言うのは冗談にしても、この物語のどこを穿っても、そこに説明のつく理由が存在します。この小説と言う宇宙に全知全能の神がいるのです。
小説を読む、と言うよりも、スーパーハイビジョンの8K映像をフルCG、MX4D、ハイレゾ、イマーシブオーディオで体感する。(大きく誇張しております)と言った方が分かり易いだろうか。(きっと解りにくい)
つまり、私が言いたい事が何なのか。
人の御託を読んでちっぽけな空想をするくらいなら、でっかい本物がそこにあるのだから、
読めばいい。