此れほどまでに、白黒の似合う美しい因縁話は稀少でしょう。

山と人界。
因縁と現代。
母と娘。
白と黒のように分かたれた二つは、それでも、この語りのなかで、おなじモノクロームの画として、ひっそりと流れてゆくのです。
そう、とてもひっそりと。まさに、葬送のごとくに……。
ぜひともご覧になって、しかして、白黒の幕の内に囚われませぬように……。

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