ファンタジー設定と、主人公の等身大の悩み

 企画から来ました。

 主人公の習くんが突然幻聴を聞くようになり、ゲームのようなスキル獲得の通知に悩まされるユニークな設定が印象的でした。

 日常生活の些細な行動でもスキルとして通知され、うるさくて仕方がないという習くんの心情がよく描かれていました。特に朝食時や登校時のシーンは、リアリティがあって共感できる部分が多かったです。幼馴染の沙耶さんや友人の隼斗くんとのやりとりも、習くんのツッコミが冴えていて面白かったですね。

 ストーリーが進むにつれ、習くんがステータス画面まで見えるようになり、ますます現実との乖離に悩む姿が印象的でした。これは本当に幻覚なのか、それとも習くんに何か特別な力が宿ったのか、先が気になります。

 ゲームの要素が現実に入り込むというファンタジー設定と、主人公の等身大の悩みがうまく融合した作品だと感じました。今後、習くんがこの特殊な力をどう使っていくのか、周りの人たちにバレずにやっていけるのか、ワクワクしながら続きを読みたいと思います。軽妙な文体も相まって、読み進めるのが楽しい小説でした。

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