死ぬのを先送りにするのに

死ぬのを先送りにするのに、患者も医者もない。
死ぬのを先送りにするのに、あなたも私もない。
死ぬのを先送りにするのに……。

ここだけ読めば違和感のある言葉だが、今の私にとって、これほど人はみな同じ条件の下で生きているのだと、身に染みて感じさせられる言葉はなかった。


もしあなたが誰かに、「明日死ぬのは、私かもしれないし、あなたかもしれないんだから」と綺麗事めいて聞こえるなにかを囁かれたのなら、ぜひこの小説を読んでみてほしい。

今日、あとひとつくらいはなにかしておこうと、思えるはずだから。

ありがとうございました。