誰かの心に寄りそう、誰かのために。

 主人公は小学生女児。母親を亡くしてから、吃音症を発症した。
 そんな主人公に残されたのは、母親が使っていた古いパソコン。
 ある日、そのパソコンにハローワールドというところからメールが届く。メールには主人公と友達になりたいというメッセージがあった。その日から主人公はその人物とメールのやり取りをするようになった。その人物はいつでも主人公の味方で、あっという間にメッセージのやり取りが楽しくなった。
 学校でいつものように吃音を揶揄われた主人公は、揶揄った同級生を懲らしめてくれた転校生を見て喜んだ。そのことをメッセージとして送ると、相手は初めての反応を返すのだった。
 
 果たして、ハローワールドとはどこをさしているのか?
 謎めいた呪文のようなそこは、誰にでも門を開いている。
 主人公がたどり着く真実とシングルファザーとしての父の想い。

 とびっきりの優しさに包まれる感動作。

 是非、御一読下さい。

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