カクヨムコン9の受賞連絡が来ました!

タカテン

こんなお題を出す運営が悪いよ、うん

「だから発表があるまでは誰にもとあれほど言っただろうがッ!」


 額に青筋を浮かび上がらせて、私の担当であるA氏は怒鳴りつけてきた。

 いや、今となっては元担当、と呼んだ方がいいだろう。

 なんせ私を無理矢理拉致って監禁しているのだから、これはもう立派な犯罪者だ。可哀そうに。早まったことをしたものだ。

 

「早まったことをしたのはお前だ、お前!」

「えー!? でも受賞の連絡が来た数日後のお題が『はなさないで』ですよ? こんなの絶対「話せ!」のフリだと思うじゃないですか!」

「ンなわけあるかっ!」


 再び声を荒げたかと思えば「ああ、上になんて説明すれば」と頭を抱え込むA氏。

 その姿はさすがに同情を誘う。

 

「まぁまぁ、でももっと大変なことは話してないから大丈夫ですって」

「大変なこと?」

「例えば人気作品を受賞させてハクを付けさせるための出来レース枠があるとか」

「おい! いい加減なことを言うなッ!」

「編集長の愛人枠があるとか」

「信じる奴がいるからやめろォォォォォォォォォ!」

「あと僕を今まで受賞させなかったのは、こんなふうに秘密を暴露されるのを恐れてのことだったとか」

「いや、それは単純に君が売れそうにない話ばっかり書くからだが」


 あ、はい……すみませんでした。

 

「とにかくこれ以上余計なことを言ったら角川武蔵野ミュージアムに埋めるからな!」

「え? 今まさに『DESIGNS 永野護デザイン展』をやっているあの角川武蔵野ミュージアムに!?」

 

 永野先生の原画と一緒に埋めてくれるのならむしろ本望! 

 

「くっ、露骨な宣伝しやがって。それで許されたとか思ってんじゃねぇぞ! ちゃんと本作はフィクションですって最後に書いとけよ! 受賞の連絡なんてまだやってないんだからなッ!」

「うぃっす!」


 そんなの言われるまでもない、私だってBANされたくないからな。

 ということで今作はフィク(以下は丁度800字のお題を達成するために省略されました。ご了承ください)

 

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