非モテ男の希望を砕き、しかし勇気を与える怪作

おまえら聞け。静かにせい。話を聞け。男一匹が命をかけて諸君に訴えているんだぞ。今、ここはだな、異世界転生、、、学園ラブコメ、、、チート系主人公、、、etc、、、非モテ男たちのご都合主義的な幻想で溢れかえっている!しかし!諸君らが現実で気になっている女というものはだな。大抵マッシュルーム男かマッチョ系ツーブロック男に奪われてしまうんだよ。どうしてそれに気がついていないふりをするんだ。諸君らは武士だろう?諸君の中に一人でも現実で俺と一緒に戦う奴は居ないのか!

という筆者の悲痛な叫びが聞こえてくるようである。

井伏鱒二は自作について「意地悪の現実に反省を促すためのラッパを吹いたつもりであった」と述べたらしいが、この筆者の哀しくも可笑しいラッパの音色が、昨今のネット小説界隈を牛耳る有象無象のご都合主義にかき消されてしまわないことを切に願う。