読書・好色・喫煙

永井カーフキック

非モテプロレタリアート爆誕

岡山県倉敷市堀南16〇〇にて書す

全ての物書きは、自分自身の生活を簡潔かつ正直に書き、他人のまた聞きなど書かない。

ヘンリー・D・ソロー


「技術によって帆と櫂を操ってこそ、船は海面を速やかに進むのであり、技術によって戦車も軽やかに走るのである。技術によって愛もまた支配されねばならない。」


 オウィディウスの言葉だ。古代ローマの詩人が言う通り恋愛が技術であるならば、たとえ環境に恵まれずとも、向学心と熱意でその術を会得出来る筈である。僕は物心が付いた時からこの言葉を励みに、古今東西あらゆる書籍、映画、ギャルゲーからその術を身に着けようとしてきたが、今思えば恋愛は技術などでは無かった。恋愛とは幼子が一定の年齢になれば自然と両の足で歩むが如く、一定の環境になれば誰にでも起こるものなのだ。しかし、もし幼子が「両手両足を交互に振りながら、約70cmの歩幅で移動しろ。」と命令されたらどうであろうか。先程までの自然な歩みは消え失せ、たちまちぎこちない歩き方になってしまうだろう。自然に行われるべきものを言語化すると上手くいかなくなる。そういった事は珍しくはない。そして僕は恋愛という自然に行われるべき行為を活字で学んでしまった。手と足を同時に大きく前に突き出して兵隊のように歩む、そんなぎこちない僕の恋模様をご紹介しよう。



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