猫と歳時記

ハジノトモジ

第1話 炬燵

 寒い日が続いている。

 すでに三月。たしか、暦の上では春になっているのだったと思うが、それにしても寒い。冬の寒さである。

 もっとも、寒い寒いと思っているのは人間だけではないらしく、わがやの猫もまた、一度炬燵に入ると、ほとんど終日と言っていいほど、こもりきりで出て来なくなる。

 そこが、冬場の家猫の定位置なのである。

 思うに、そうしてぬくぬくとあたたまり、まるくなって寝ている猫の姿にこそ、われわれが守りたい日常の幸福というものが見出されるのではないだろうか。




しあわせな 猫ぬくぬくと 炬燵かな

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