制約は解釈によって、時限的自由へと変貌する

本当に面白いです。

短い中に多くのエッセンスがカ◯ピス原液のごとく凝縮されています。

作中でも言及されている通り、「一言」、確かにその長さは、その言葉を使うものによって、大きく変わってくる。

一語と捉える者もいる
一文と捉える者もいる
一段落と捉える者もいる
一頁、一節、一章、一作品、一シリーズ、はたまたもし四次元時空間を俯瞰的に捉えられる存在がいるとするのなら、時間の概念が無いおかげで、「一言」が、現在過去未来無限の連続的な語」になってしまうかもしれない。

その発想は、屁理屈でもなんでもなく、特定の言葉に対する受け取り手によって千変万化する「認識の違い」という永遠の問題であり、非常に興味深い投げかけである。

最後の「模索」は、シュレディンガーの猫ならぬ「ハイデルベルクの猫」とでも呼ぶべき思考実験。
人語と猫語は、果たして可逆的なのか、そんなことは考えたこともなかったので、その斜め上からの特大の一撃に、唸らされました。

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