青春の黒歴史を描く、心温まるユーモア溢れる物語
- ★★★ Excellent!!!
忘れたくても忘れられない、それが過去の恥ずかしい記憶。
作者の青春の黒歴史に苦笑いしながらも、どこか懐かしく本作品を読むことができる。
この物語は、そんな誰もが持つ青春の経験を繊細かつユーモラスに描き出している。
主人公が抱える羞恥心と、それを乗り越えようとする姿勢には、読者自身の青春時代を思い出させる力がある。
学生時代に書いた恥ずかしい小説や、友人に公開された照れくさい歌詞。
そういう似た経験は、誰にでもあるものだ。
だが、この作品はそんな黒歴史をただ笑い飛ばすのではなく、そこに込められた純粋な情熱と、創作への真摯な姿勢をも肯定する。
青春の甘酸っぱさと、成長の過程でのつまずきを、見事に描き出した作品と言えるだろう。