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概要
君に会えた。
トウコは毎夜日付が変わる頃にフラフラとバーに現れてはカウンターの椅子に座り、ブランデーを頼む。財布の中は空っぽで、このバーにはボトルが入れてあるから来ているだけでなくなれば当分来なくなる。ボーイがそろそろなくなると言っていたからあと少しの命だろうか。 毎日の労働にうんざりしてカウンターに頬杖を着いて向こうに座っている男を見る。品の良い男で少し高そうなスーツを着ている。リッチだろうか?顔はよく見えない。コンタクトを忘れてしまった。トウコは面食いではないが顔のいい男は好きだ。髪が柔らかくて腕を回したときに気持ちのいい男が好きだ。 ブランデーの入ったグラスをちびちび飲みながらじっと男を見つめる。随分と体を重ねていない、誰かと何かしたい気分でもないのに肌を重ねて暖かさを感じたいと思うのは変な感じだ
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