淡々とした会話劇。予備情報なしに、いきなり舞台に上げられたような感覚で読み進めるが、会話が自然なのでついつい読めてしまう。読んでいるうちに関係性や出自が見えてきて、同時に語られていない過去も、想像したり興味が出てきたりする。予定調和なのに、気がついたら最後まで読まされていた。そういう力のある語り口の物語。コテリという作家の美しいコミックを思い出した。