第5話 サツマイモ
「芋なら俺たちでも栽培するべさ」
「芋なら主食にもなるからなぁ」
ということでサツマイモを配布して、普及に励んでいた。
それも甘い品種だ。
これも商人に国内外、あちこち探し回ること一年。
やっと見つけたものだった。
「甘いイモってすげえな」
「サツマイモだべぇ」
「ジャガイモのフライドポテトもうまかったけど、サツマイモは甘いべさ」
農民たちに年々広まりつつある。
「お兄ちゃん、やっと庶民にも甘いものが」
「だな、さすが妹」
「サツマイモの甘味なら、主食としても食べられて、お金にもなりますわ」
「だな」
サツマイモの生産量は一気に増えていき、右肩上がりだった。
もちろんフライドポテトにするジャガイモ畑も健在だ。
最近少し麦の収穫量が減っているが、その分をサツマイモがカバーするようになっていた。
「やっぱ、サツマイモ。庶民の甘い物といえばサツマイモだ」
「やったね、お兄ちゃん」
「あああ、ついにここまできた」
サツマイモに蜂蜜を垂らして、大学芋もできる。
そして探し出した品種はとびきり甘いサツマイモなのだった。
今、次は白砂糖への挑戦が続いている。
錬金術師たちに資金を提供して、研究してもらっているのだ。
もちろん妹も参加している。
ビーツとサトウキビの黒糖から白砂糖を作る。
砂糖の輸入元の国はここから遠く、技術を秘匿しているため、ここまで情報が一切入ってこないのだった。
「それなら自分たちでやるしかない。いつか、この手で」
俺と妹の、甘い物への探求は、続く……。
(了)
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こんばんは、こんにちは。
滝川海老郎です。
カクヨム短編小説賞2023参加作品です。
とりあえず短編としてはこれで終わりとさせていだたきます。
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
転生しても妹ラブの没落男爵家の甘々生活 滝川 海老郎 @syuribox
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