あとがき

 ここまで『明珠めいしゅ女学館じょがっかん第一高校春物語』をお読みくださいましてありがとうございます。


 この物語は複雑な構成になっています。

 『友加理ゆかりのひな祭り』が『二月の雪』の二年前の物語、『プロムナード』は『二月の雪』と同じ学年で『二月の雪』よりも少し前、そして『エピローグ』がそのあいだの年(『友加理のひな祭り』の翌年、『二月の雪』の前年)の物語という構成です。

 『プロムナード』

 ↓ 少し後

 『二月の雪』

 ↓

 『プロムナード』

 ↓ 二年前

 『友加理のひな祭り』

 ↓

 『プロムナード』

 ↓ 一年前(『友加理のひな祭り』の一年後)

 『エピローグ』

 ややこしいですね。


 こうなったのは、ひとえに『二月の雪』を書いたほうが先だった、という執筆順の都合によります。

 いちど、同人誌(個人誌)で『二月の雪』と『友加理のひな祭り』を一冊にして刊行したことがあり、そのときに執筆順にしたがってこの順序にしたので、時間関係をはっきりさせるために『プロムナード』で途中をつないだのですが……。

 よけいにわかりにくくなったかも知れません。

 さらに、友加理とあいの学年関係(同時に高校にいたことがない)を示すためもあって、友加理が卒業するときに桃子ももこ(愛の一学年上)が一年生だった、という『エピローグ』を書きました。

 『プロムナード』で、だらしないところも見せながら余裕で上級生ぶりを見せている桃子も、一年生のころは……というお話です。


 「カクヨム」に掲載するときにその体裁を踏襲する必要はなく、『二月の雪』と『友加理のひな祭り』を別々に公開してもよかったのですが、そうすると『プロムナード』の物語が浮いてしまうので、一冊で刊行したときと同じ形にしました。ただし文章には手を加えています。


 連載が終わるということで、この物語の登場人物ともお別れということになります。

 またどこかでこの登場人物たちのその後にもめぐり会いたいと思っているのですが……。

 じつは、「その後の物語」はすでに公開していたりします。


 『五月の雨』、『十番歌あわせ!』、『鳥はなぜ飛ぶのか』は『明珠女学館第一高校春物語』よりも後、愛や千枝美ちえみが二年生になった後の物語です。

 だから、これらの物語を先にお読みになると、『二月の雪』の結末はあらかじめわかってしまいますが。


 『五月の雨』

https://kakuyomu.jp/works/16817330659698190129


 『十番歌あわせ! ― 明珠女学館第一高校 八重垣会 vs 古典文芸部』

https://kakuyomu.jp/works/16817330658350469897


 『鳥はなぜ飛ぶのか』(連載途中で中断中)

https://kakuyomu.jp/works/16817330660533048025


 これらの物語を含め、また新しい物語に『明珠女学館第一高校春物語』の登場人物が登場するかも知れません。

 そのときにはまたよろしくおつきあいくださいますようお願い申し上げます。


 清瀬 六朗

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

明珠女学館第一高校春物語 清瀬 六朗 @r_kiyose

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ