最終話 地震に強い家
[注意!独断と偏見を多分に含んでいます。悪しからず。]
前回のあらすじ
木造住宅のツートップ!
◇◇◇
家を一棟建てるには数多くの部材が必要です。
構造用合板だけでなく、集成材(寄せ木細工のように細かな木を接着剤で接ぎ合わせた材木)の柱や梁を使用する建築メーカーも増えてきています。
一般的に、柱と柱の間口を広く取ると、その距離が伸びるごとに
集成材の梁は工場で作られるので、いくらでも大きな部材が作れます。これは大変大きな利点です。加えて
ビバ集成材!!
素晴らしい!
しかし、しかしですね~!
やはりこの集成材の柱や梁も、接着剤で造られているので、接着剤の寿命がそのまま材木の寿命になってしまいます。
住宅の消費期限は60年以上がスタンダードの、ユーザー目線! な私には、恐ろし過ぎます。そのリビングを支える梁は家の中で1番丈夫であり続けなきゃならないんですよ!?
30年以上経過しても、丈夫でいてくれ続けますか?
建売住宅の広告チラシをたまに見てみると、驚くほど一階と二階の柱の位置がズレている家が有ります。
設計士がクライアントの要望を聞きすぎた結果、そうなってしまったのでしょうか? 日本には『設計士』や『建築士』という肩書の人は、昔はいませんでした。大工の
ここで小噺をひとつ。舞台は工務店の打合せ室、昔の大工の棟梁と家を新築したい若夫婦の会話です。
◇◇◇
「へい、いらっしゃい。旦那さん、奥さん、ようこそ。」
「こちらで素敵な家を建てていただけると評判を聞いて伺いました。よろしくお願いします」
「私、間取図を自分で書くのが好きでして、願いを全て詰め込んで、あらかじめ書いて参りました。この間取図のどおりに素敵な家を建ててくださいませ」
「お! そいつは良いね。おいら、そういう熱心なお客さん大好きだよ。やり甲斐があるってもんだ!」
うーむ、この
「奥さん、おいらにはこの間取図どおりには建てられねぇ。ここを見てみな、二階の大事な角柱の下に一階の柱がきてねぇ。他にも一階と二階の柱の位置がずれまくっちまってる。極めつけはこの二階の持ち出しだ。こんなに一階より横にのばしたらここで受けてるこの梁に、相当な負担をかけちまう」
「造れ、と言われりゃやってやれねぇ事はねえんだぜ。ただな、はじめは良くても20年もたってみな、色んな部材に
「そ、そんな! それでは私の願いは叶わないのね•••」
ヨヨヨ、と泣き崩れる奥さん。
「まぁ、待ちなよ奥さん。早合点はいけねぇぜ」
「え!?」
「奥さんのここの
「え!? でも•••」
「奥さんが、どういう理由でこういう間取りにしたか、ひとつひとつ思いのたけを込めて、おいらに話してみなよ。そうしたら、おいらがその思いをくみ取って、願いを叶えつつ、100年平気で保つ家を建ててやるよ」
「え〜! そこまでしていただけるんですか! 是非ともお願いしますぅ!」
「良かったなぁ、お前」
「うん、本当に良かった」
「まぁ願いを聞いても、できねぇもんはできねぇとまた言っちまうけどな。ガッハッハ!」
◇◇◇
いかがでしたか??
施主さんの言う事をなんでも聞く設計士よりも、
こういうユーザー目線の設計士ばかりになると、『地震に強い家』もどんどん増えていってくれるのではないかと私は思います。
◇◇◇
より多くの方に減災にも繋がる情報をお届けしたいと思っております。よろしければ♡や☆の評価を是非お願いします。
最後までお読みいただきまして、まことにありがとうございます。
◇◇◇
家造りにおける、アレルギーとシックハウス症候群をテーマにした1話千字程の短編エッセイも書いております。
よろしければお読みください。
エッセイ[アレルギー体質の家族の為の家造り]
『第1話 家造りと健康』
https://kakuyomu.jp/works/16817330669236786159/episodes/16817330669237059301
地震に強い家ってどんな家!? 🔨大木 げん @okigen
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