第4話 屋根と床下空間

[注意!独断と偏見を多分に含んでいます。悪しからず。]


前回のあらすじ


オセロ(リバーシ)。


◇◇◇


では実践編です。


木材は水に濡れたり、湿気を帯びたままだったりすると、徐々に腐っていきます。


ですので、木造住宅を長持ちさせたかったら、とにかく水気を嫌うように造ることです。

これが全てと言っても過言では無いはず。


まず1番水に濡れる屋根からいってみましょう。

雨水を素早く、きちんと建物の外に流す必要が有ります。


屋根勾配やねこうばいは5寸勾配(5/10勾配)以上が望ましいです。

但し、6寸勾配を越えると屋根の上での作業がし辛い(人間が滑り落ちてしまうので対策が必要)ので、おそらくは割増料金になると思います。


そして屋根の形状も大事です。

片流れかたながれ切妻きりづま寄棟よせむね入母屋いりもやと、屋根が複雑になるにつれて屋根面同士の接合部分が増えていきます。接合部分が増えていくと、最初は大丈夫だったとしても経年で雨漏りのリスクがはね上がります。


同様に、屋根がいくつも組み合わさっているような形は接合部分が増えるので注意が必要です。

屋根と壁の接合部分も同じ理屈ですね。


知らない用語を使われて良くわからない!? と思われた方。

屋根の形状は『シンプルイズベスト!』と覚えてください。見た目ごちゃごちゃしている屋根はリスクが有る、と。


屋根の素材についてはこちらに書きました。

『私の選んだ建築材料たち その2』

https://kakuyomu.jp/works/16817330669236786159/episodes/16817330669598788207


スレート屋根については、上記URL先に何も書いていませんが、(私の見聞きした経験では)長持ちさせる家には中途半端でした。

特に低価格帯の物は、安かろう悪かろうなので選択しない方が無難です。


軒先のきさきも長く出ている方が有利です。壁が濡れるのを少しでも防げるし、雨水を基礎から遠ざけて落とす事ができます。(隣地に近い等、昨今の住宅事情では難しいので、出来るだけでいいので出しましょう。)


天井に一度でも雨漏りした事が有る場合は、その後雨漏りしていなくとも注意が必要です。天井まで達していなくとも屋根裏までは水がまわっている可能性が有るからです。大雨の日に一度点検される事をお勧めします。


雨樋あまどいも重要です。建物にかなり悪影響が有るので、雨樋あまどいが詰まったまま放置するのは絶対に避けましょう!


お次は、建物の足元にいってみましょう。

屋根と床下が水気対策のツートップです。


湿気の多い日本の環境では、弥生時代の昔から湿気対策といえば高床式です。床が高ければ高い程、木造住宅は長持ちします。


現代の家造りでは、建物の全高に法規制が有りますので、床下の高さは犠牲にされています。バリアフリーとの兼ね合いも有りますね。


長期優良住宅のガイドラインでは、這いずって水まわりの目視点検が可能なように、床下の高さは330mm以上となっています。これを最低限としたほうが良いでしょう。


実は、わざわざガイドラインで定める必要があるように、築40年未満の家のほとんどが床下の高さが全然無い家になっています。現在でも、長期優良住宅でない家はそのように造られています。


これではいけません。床下に湿気がこもる一方です。

湿気に弱い合板や外国産材を、湿気がたまりやすく造った家に使う。

わざとか!? と思う程の組み合わせ。


しつこく言いますが、床下は高ければ高い程いいのです。


床下には基礎を欠き込んで、床下換気口が設けて有ります(全館空調をウリにしている住宅は、床下換気口が無い場合も有ります)。最近は基礎パッキン工法といって基礎を欠き込まず20mmほど全体に隙間を開ける工法が多いですね。


この床下換気口、絶対に塞いではいけません。

住宅の外周にはエアコンの室外機や物置をはじめ、色々な物に取り囲まれていますが、床下換気口の位置と被らないように気を付けて設置してください。


樹木にも注意が必要です。

樹木は必ず湿気を帯びますので、本来なら家の基礎から遠ざけて植える必要が有ります。これも昨今の住宅事情が有りますので、できるだけ・・・・・離して植えるという心構えが有れば良いでしょう。


最終話に続きます。

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