あなたが叶えたかった夢は、なんですか?

この国では、人間と精霊が契約を結ぶことがある。
かつては、炎の精霊のもとにも大勢の魔法使いが訪れていた。
しかしそのお眼鏡に適う者は誰一人おらず、いつしか魔法使いたちは諦めた。
そうして誰も来なくなってから、長い年月が過ぎた。


「ケーキを焼きたいんです。貴方の力を貸してください!」
「意味が分からん、帰れ」


ケーキ、もとい前世の記憶を取り戻した令嬢レミア。
しかしこの世界にはケーキがない。

「これも全てケーキを焼くため。
 一回断られたくらいで諦めるわけにはいきません、すなわち三顧の礼です!」

セルシウスもグラムも無塩バターもない世界で、レミアはケーキを焼くことが出来るのか――。


「あ、そうだ。精霊さんのこと、なんてお呼びすればいいですか?」
「それすら知らずに来たのか、お前は……」

頭にはケーキしかないケーキ頭の令嬢と、炎の精霊なのに氷のように態度が冷たいロティのケーキ作りやいかに!


これは、『誰かを幸せにしたい』と、忘れてしまった夢を叶える物語。

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