あなたが叶えたかった夢は、なんですか?
- ★★★ Excellent!!!
この国では、人間と精霊が契約を結ぶことがある。
かつては、炎の精霊のもとにも大勢の魔法使いが訪れていた。
しかしそのお眼鏡に適う者は誰一人おらず、いつしか魔法使いたちは諦めた。
そうして誰も来なくなってから、長い年月が過ぎた。
「ケーキを焼きたいんです。貴方の力を貸してください!」
「意味が分からん、帰れ」
ケーキ、もとい前世の記憶を取り戻した令嬢レミア。
しかしこの世界にはケーキがない。
「これも全てケーキを焼くため。
一回断られたくらいで諦めるわけにはいきません、すなわち三顧の礼です!」
セルシウスもグラムも無塩バターもない世界で、レミアはケーキを焼くことが出来るのか――。
「あ、そうだ。精霊さんのこと、なんてお呼びすればいいですか?」
「それすら知らずに来たのか、お前は……」
頭にはケーキしかないケーキ頭の令嬢と、炎の精霊なのに氷のように態度が冷たいロティのケーキ作りやいかに!
これは、『誰かを幸せにしたい』と、忘れてしまった夢を叶える物語。