そのナニカは、じっと見ていた――

黒いナニカは、わからないまま存在していた。
なぜ自分が怯えられるのか、嫌われるのか。
ナニカにはわからない。
けれどもいつのまにかなにかは、嫌われるだけでなくなった――

とある子どもとの出会いから、孤独ではなく喜びを知るナニカ。
ナニカ、の目線で綴られる民話のような穏やかな語り調子。
不可思議なそれと人の交流、それでいてナニカがナニカであるということ。
ほんの少しぞくりとする、それでもどこか優しい交流物語。

不可思議なものが好きな方におすすめです。