これは、「ふたり」が共に生きる物語

その場所にあるのは、あまりに辛く息苦しい世界。
美しい文字がどうにもならない冷たさを綴る中で、それでも彼らの息遣いが聞こえてくるような、だからこそ拳を握るしかないような序盤。
苦しくて仕方なくて、けれども絶望し閉ざされてしまうには、愛しさも優しさも確かにあって――
ままならない世界で、それでも生きるために選び進む彼らは、失うだけではない。
過酷さもままならなさもはっきりと描かれている序盤ですが、タイトルが、そして思う人たちが、道を閉ざすには早いと教えてくれるでしょう。

ずっと苦しいだけではないのは、彼らが選んだあの日から進めばきっと伝わる。
過酷さも問題もあるけれども、確かにそこにある穏やかな花のように。
美しく愛しい気持ちを、きっとくれる。そんな物語です。

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