ガレット王とりゅう(一般書架)

すぱとーどすぱどぅ

ガレット王とりゅう

 これははるかむかしのおとぎばなし


 この世界せかいに1ぴきりゅうが生まれました。


 りゅうは生まれちたときから一人ひとりぼっちで、ただやまうえていることしかできませんでした。


 それから数百年すうひゃくねんときち、その山がおかにみえるくらいおおきく成長せいちょうしたりゅうは1人の少女しょうじょ出会であいました。


「こんにちは。あか魔王様まおうさま


 少女しょうじょはまるでピクニックにでもきたかのようにりゅう挨拶あいさつをしました。



 りゅうけると、そのおおきな黄色きいろひとみ少女しょうじょつめます。


 少女しょうじょりゅうられたことで、全身ぜんしん痙攣けいれんあわいてたおれてしまいました。


 それから丸1まるいちにちったこと、ようやく少女しょうじょがると、そのままやまりていきました。



 それからまた100ねんほどときちました。


 今度こんど少年しょうねんがやってきました。


 少年しょうねんけんをかまえると、りゅうあしめがけて突進とっしんしました。


 しかし、りゅうのうろこはかたく、ぎゃくけんれてしまいました。



 りゅう攻撃こうげきされたことすら分からず、そのままていたので、少年しょうねんかえっていきました。




 それからも幾度いくどとなく、少年しょうねん少女しょうじょやまのぼり、りゅういますが、1ひとりたりとも「会話かいわ」をすることはできませんでした。


 りゅうれば失神しっしんし、こえけば死んでしまうからです。



 そんなつたえが人々ひとびとつたわり、だれおとずれなくなったあるのこと、1ひとり青年せいねんりゅうもとおとずれました。


 青年せいねんはローブをにまとい、たくさんの装飾そうしょくをつけていました。


「こんにちは、あか魔王様まおうさま


 青年せいねんはまるで旧友きゅうゆうともはなしかけるように、りゅうはなしかけました。


「こんにちは、人間にんげん


 りゅうもあいさつにこたえ、そしてじました。


あか魔王様まおうさまわたしくにすくってはくださらぬか」


 そのこえに、りゅう見開みひらきました。いままで自分じぶん言葉ことば返答へんとうがあったことなどなかったからです。



 りゅうはこのはじめて「会話かいわ」をしました。


くにすくうとはなにをしてほしい」


 りゅう青年せいねん黄色きいろひとみでじっとつめました。


くにだれにもつからない、とおまでれてってしいのでございます」


 青年せいねんりゅうひとみあわくことも、失神しっしんすることもなく、おねがいをしました。


 りゅうはうなずくと、おおきなつばさはじめてひらき、大空おおぞらへとがりました。


 つばさかぜるたびに、おおきな竜巻たつまきがいくつもつくられ、やまげていきました。



 りゅうはじめて自分じぶんのいる場所ばしょりました。


 りゅうのいたやまうみちかくにあったのでした。


 りゅう空高そらたかがり、あたりを見回みまわすと、そこにはちいさなむらがありました。


 なかにはむらなかではおおきいしろっています。


ねがいをかなえよう」


 りゅうはそのむらをくりぬくようにきました。



 すると、大地だいちけ、1つのしまができました。


 りゅうつばさおおきくってかぜこすと、しまは、うみかってうごします。



 こうして、りゅう青年せいねんばれた、ガレットおうはこのしまおうとなり、他国たこくからの侵略しんりゃくけず、独自どくじ文化ぶんかまもっていくことができたのでした。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ガレット王とりゅう(一般書架) すぱとーどすぱどぅ @spato-dospado

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ