不可知である筈の世界とリアルが、同じ熱量で同居する物語。それは作者の力量を表しているのだろう。 皆さんも、手触りを感じるような神話の世界を堪能してみてください。
日本各地には、神社や神域、地蔵など、昔から祀られているものがあります。 迷信的に、なんとなくそれらが置かれているのではなく、国の根幹にかかわるような意味や力が、もし、それらにあったとしたら。 力を欲し、それらを悪用する者が出るかもしれません。 また、それらの下に『封』され、隠されているものは、長年、いつまでも大人しくじっとしていてくれるでしょうか。 この物語は、日常の表面には出てこない、そういった『封』を管理・監督し、『封』が破られれば、それと戦う人々の物語です。 さあ、奉祀するか調伏するか。
設定や背景が細かく説明されることはなく、読み始めは「難しいかも…」と思いきや、神秘的な謎が散りばめられていて常に続きが気になる内容に完全に引き込まれました。そして、名称、表現、言葉使いが独特で、カッコいい!
意味というよりもむしろ、形としての漢字への筆者の執着を強く感じさせる作品。内容はもちろん秀逸なのだが、語としての漢字への拘りに、強い共感を覚えるのは私だけだろうか。物語と共に、語の世界に耽溺するのも一興かも知れない。そんなことを思わせる作品です。お薦めします。
私は正直ハマんなかったけど、ハマりる人は居そう!現実すぎる!読んでて現実逃避ができないのがまたいい!現実が一番怖いってよく分かった!すいません、まだ一話しか読んでいません、今度ハマるまで読もうかな?
昔、日本では口語(話し言葉)と文語体(書き言葉)と使い分けられていた。読み書きが出来るのは教育を受けた貴族、一部の人間だけであり密書や政治的イデオロギーが込められている物書きが「大説」と言う。話し言葉で文章を書くことが許され、それの総称が「小説」となった。この作品は言葉と文体、間や和を感じる「言葉の間引き」までが美しく情緒を感じさせ、風情とその内容の集大成であり「おもむき」を読み楽しむことである。