概要
虐待された子どもは虐待した親を介護しないといけないのですか?
ルカは、物心ついた頃には両親からネグレクトされて育ち、誰の助けも受けられないまま、小学生時代を過ごした。給食だけが彼女の支えだった。母親の蒸発をきっかけに、中学から横浜の祖父の家に引き取られるも、大学時代にはその家にも帰れなくなり、ネットカフェを転々とする生活を多種多様なアルバイトで支えながら、就職活動を経て大手企業への就職を果たす。「やっと自分だけの力で生きていける」というルカの希望は、「保証人なしでは賃貸契約ができない」という社会の慣習によって簡単に踏みにじられた。それでも、たまに花を一輪だけ買うというささやかな行為に幸せを感じながら、会社からの果てしないノルマを黙々とこなすことで営業成績はトップとなり、リーダーとして東京の支局へ異動する。
東京での生活の中で、ルカは関俊介と出会い、
東京での生活の中で、ルカは関俊介と出会い、
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!フィクションとのことですが、リアリティのある作品です。
私は最初に実体験を書かれたものかと思っていましたが、末尾に参考にした本などの紹介があり、綿密な調査と下調べの上に丁寧に作られた作品でだということが分かりました。
日本の法律について事実をもとに書かれているため、抗えない現実を見せつけられるような衝撃があります。新しくできた法律のタイミングや現代にはそぐわない前時代的な法律のせいで諦めなければならない報われない主人公を通して、現代で起きうる(起きている)問題について、ならばどうすればいいのか? を問いかけてきます。
文章は文学的で、本当は筆者が読んでいただきたい特定の団体や境遇の方がいるのではないかと感じました。この作品を読むべき人に…続きを読む