最終話:それでも伊香保温泉は良い所だ!
以上が、ひょろがりだった頃の私と、でっぷりした時の私の伊香保温泉の感じ方の違いです。あの石段は、ぶっちゃけデブにはきついです。
でも、当時よりもさらに肥えた私は今でも思います。機会さえあれば、また伊香保温泉に行ってみたいと。
伊香保温泉はとにかく泉質が良かった。あの茶色いお湯。効能がめっちゃありそうな色なんです。飲泉はおいしくありませんでしたけども。
そして伊香保温泉と言えば温泉饅頭ね。美味しかったわ、温泉饅頭。どんなに息が上がって辛かろうとも、温泉饅頭だけはいつも買っていたのよ。
そして、当時よりもさらに今の方が食欲があるので、水沢うどんはまた食べたいです。あのコシが懐かしい。でも、もうあそこから渋川駅まで歩くだなんて芸当は出来ないのよ。それこそ膝が死ぬわ。
あれから丸田君とはお別れして、私は別の人と結婚したんですけどね。夫はバイク乗りであって車は乗らないからなかなかドライブというわけにも。たまにレンタカーで遠出しますけども。
腰椎椎間板ヘルニア持ちとなった今、めっきりでっぷりした身体とも相まって、当時よりさらに石段は厳しく私に立ち向かうでしょう。でも、やっぱり思い出の土地だもの。また行ってみたいよね。もしかしたら石段登り切れば数キロ痩せるかも!? なんて甘い考えもあったりして。
そしてね、最後に私はこの言葉を自分に送りたい。
────因果応報。
酷い言葉を人に投げつければ、それはいつか特大ブーメランとなって自分に返って来るのです。
平沼君……当時は酷い言葉でからかってごめんなさい。結局あれから私もブヒブヒ言うようになりました。懺悔します。当時の私は間違っていました。
唯一ブヒブヒ言う事の無かった丸田君はいまだに細マッチョなんですかね。ぜひとも体型を維持していつでもつまらないブラックジョークをかましていて欲しいですけども。
そんなこんなの、私たちの伊香保珍道中。
伊香保温泉は良い所だよ。群馬県は名湯が沢山あるよ。
あ、最後に小ネタですが、私は育ちは千葉県ですが生まれたのは群馬県なんですよ。三歳まで群馬県民でした。
また伊香保に、群馬に、名湯を求めて──。
────了
伊香保道中膝がくがく 無雲律人 @moonlit_fables
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