羽ばたくような結末を。

細かく散りばめられた小さな輝きを、読みながら見つけていくのが楽しい作品です。
例えば表題の「アイ」。これが分かりやすくもあり、言の内外問わず幾度も出てきます。一万字の中で、しっかりと。

それだけではないです。彼らが見ているもの、書いているもの、場所、時間。一つ一つに意味が見て取れる。
本当に味わい深い。

本当ですって。まだ一度しか読んでおられないなら、拾いこぼしがあるかもしれません。もう一度読みましょう。
まだ読んでない? それはいけません。ネタバレはいたしませんから、ご精読くださいませ。

絵画のことがわからなくても。
積み重ねた努力を突き崩される気持ちに、共感できなくても。
恋を知らなくても。

きっと彼女を、応援したくなります。

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