旅路の果てに、何が待ち受けているのだろう

舞台となる世界は終末というかほぼ黙示録じみており、重く暗く、そこで生きるものたちの醜さなども描かれている。

それまで主人公に守ってもらっていたにも関わらず、平然と石をぶん投げてくる民衆などは妙にリアルで生々しい。

それでもサクサク読めてしまうのは、擬音表現(オノマトペ)を駆使した明るいノリの文章と、脳筋真っ直ぐで何処か憎めないキャラの主人公が、前述の暗い部分を中和させているからなのだろう。

細かな心情・状況描写が好きと言う方には受けが悪いかもしれないが、要所要所でおさらいを挟んでくれる上、何より主人公のクロウが工夫を凝らして強敵に挑むことが多いので、バトルの度にわくわくさせられる。

彼らの旅路の果てに何が待つのか、追っていきたくなる逸品である。

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