生首と『わたし』の境界線

 引っ越し先に生首がいる。
 突然現れるときもあるし、生首付きを選べるときもある。
 隠されている場合もある。

 そのどれも(あるいはだれも)がしゃべる。
 気がつけば「わたし」の生活に寄り添って、よき隣人となっている。

 もしかするといつか入れ替わるときもあるかも……?

 本作を読み、なんとなく首回りがむずむずする感じがしたなら、生首との境界線がすこし蕩けかけているのかもしれません。