こぼれた鋒（きっさき）、その先へ

この世界に生まれた時点で、家庭環境や自分ではどうにでもならないことが出てきます。

そして、勝ち負けという考えは残酷ですが、この世界には溢れかえっています。

ですが、何よりも大切なことは進むということ。

今の自分より、半歩でも前に。

そんな当たり前ですが、忘れてしまうことを思い出させてくれる素敵な作品です。

オススメの作品です✨

アル中で暴力を振るう父親と隷属的な母親。悲惨な家庭環境から遠ざかるため、中学生になったイオリは剣道部に所属した。竹刀で自分の居場所を勝ち取っていくひたむきなイオリは中学三年生になり、初めての個人戦決勝を迎える――。


剣道の専門的な所作の落とし込みが素晴らしいので、やったことも見たこともほぼない私でも安心して読み進めることができました。試合の緊迫感は読み手にまで緊張が伝わるほどです。
イオリ自身の強さももちろんですが、祖母や道場の大人たちなど、彼女を必要な時に支えてくれた大人たちにもほろりと来ました。

強くなったイオリが自分の未来のために下した決勝戦での決断、ぜひ見届けていただきたいです。

主人公のイオリは、劣悪な家庭環境から逃げる為に剣道部入り、いつしか剣道に夢中になっていきます。
周囲の大人達に支えられながら、直向きに剣道に向き合うイオリは、試合を勝ち抜いていき、とうとう決勝戦へと挑む事になります。

剣道の場面はとても丁寧に描写されていて、経験者でなくとも空気感や緊張感がしっかりと伝わってきます。
剣道と向き合い、暗闇の中でもしっかりと前を向いて先へと歩んでいく彼女の姿に、周囲で彼女をそっと支える大人達のように背中を押してあげたい、と思える素敵なお話でした。

イオリの置かれた家庭環境は厳しいものですが、それでも生きるイオリの強さに心打たれます。
剣道や優しい大人達と出会い、剣道に打ち込むイオリの姿に釘付けになること間違いなしです！
彼女の強さを是非ご覧ください！

『剣道の試合』は、学生時代に友達の付き合いで見ただけ。
そんな薄い記憶しかない私ですが…… 夢中になって、読ませて頂きました。

中学で剣道部に入部した少女イオリが、孤独を振り切るように、ひたすら竹刀を振る。
周りの大人達の優しさに触れ、どんどん強くなり試合に勝ち続け、ついには決勝戦に。

試合相手の個性、ルール、駆け引き……どれもが新鮮で、お話に引き込まれました。
タイトルの意味、そしてその先の結末を、たくさんの方に読んで頂きたいです。

心から。