(後編)NOVEL DAYSは作品が埋もれぬ理想郷?

 承前。

 NDはNOVEL DAYSの略です。


【PVと読者の特性:最後まで読んでもらえたり】のつづき


 読者層は文芸寄りの人が多い印象です。私のいた歴史ジャンルでは、転生ものは少なかったです(PVが付かずに撤退している?)。ジャンルにもよりますが、単発の短篇が結構多いです。


 難しい文学論なども普通にあり、結構PVや★がついています。一方、ファンタジー系もありますが、それほど盛んではないようです。娯楽系の読者が少ないのかもしれません。


 全体に間口は狭くないと思いますが、読まれる作品とそうでない作品がややはっきり分かれていると見受けます。そのあたりの基準はよく分かりません。


 まあ、カクヨムやなろうと棲み分けている感じはしますけれども。


 また、NDにフォローワーというシステムはありませんが、作者さん(特に古手の人)には固有の読者やファンが付いているようです。連載中にどんどん★がつく方がいて、多分そういう作者さんなのだと思います。


 ちなみに順位が上がったときにPVが増えるかというと、必ずしもそうではありませんでした。これまで述べたように固定の読者が多いためと思われます。したがって、この意味でもランキングはクリティカルではないと言えましょう。



【その他の特徴について】


 エディタについて一言触れておきます。私が使った三ヶ所(カクヨム、ND、ステキブンゲイ)ではNDのエディタが最も使いやすかったです。


 理由は画面が広く少し字が大きいからで(PC向き?)、ルビの入れ方その他もろもろの機能面では、三ヶ所ともあまり変わりません。ただカクヨムのような変な癖(改行すると、ときどき上にいってしまうとか)は、NDにはなかったと思います。

 唯一、NDではエピソードの一括表示ができないのが玉に瑕でした(全体を改稿したときにえらい手間でした)。


 NDの予約投稿は一時間きざみですが、カクヨムのように一分の違いにこだわる理由もないので問題はありません。

 関係ありませんが、ステキブンゲイでは一分きざみの予約投稿を時計の画面で指定するようになっており、結構好きでした。


 この他、NDでは作品に画像を入れられたり、チャット形式(複数の人が参加できるものもある)の作品が書けたりもします。トップページもそうですが、視覚系(?)に力を入れているようです。姉妹サイトの内容から類推すると、やはり漫画に力を入れているのですかね。


 あとカクヨムとの大きな違いとして、書き手や読み手のコミュニケーションがそれほど活発でないことがあります。一応コメント欄も存在しますが、カクヨムのシステムには比べるまでもなく、いわゆる営業活動なども見当たりません。

(まあ、私としてはこれで普通かなとも思いますが)


 上述のように、チャットノベルのような書き手同士のコラボレーションもありますが、それはまた別な話ですね。


 ただ、過去には常連同士で★のなれ合いのようなことがあり、騒ぎになったそうです。いまコミュニケーションに乏しいのはその反動かもしれません。たまに常連同士のリアルの交流が記事として投稿されたりして、面白いのですが。


 カクヨムのコミュニケーションシステムは、先覚者であるを見習っていると思われますが、これはサイトが巨大になったために、必要に応じて発達してきたものでしょう。なにせ、百万(なろう)とか四十万(カクヨム)とかの凄い数の作品があるわけですから、検索機能だけでは瞬時に埋もれてしまいますよね。せめてユーザー同士で「こういうのやってるよ」とアピールする機能でもないとどうにもなりません。

 逆に言えば、NDはそれが無くても作品が埋もれないような作品数であるわけです。あくまで今のところですが。



 最後に運営面についてですが、問い合わせなどに対する回答はカクヨムの方が早いです。しかしNDでは、禅問答的でない回答が来ます。


 余談ですが、当初NDのサイト自体が遅くてストレスを感じましたが、8月末ごろに改善されて早くなりました。これは非常によかったです。



【まとめ:作品が埋もれずPVがつく理想郷? 書籍化は?】


 NDは書き手が他サイトより圧倒的に少ないため、その人数だからこその、のんびりランキングになっております。また、作品が埋もれる心配の少ないあたたか仕様で、その割にはPVが出る、ある意味理想郷とも言えます。


 しかし、混んでくればまた状況が変わることもあり得るでしょう。今の状況はあくまで今の人数での状況です。


 NDがなぜいているかが問題ですが、理由はよく分かりません。


 ただ、カクヨムコンに相当するような大きなイベントはありませんし、何かでサイトが盛り上がるという感じもないですね。


 これは、逆に言うとなぜカクヨムが盛り上がっているかという問いにもなります。


 NDを運営する出版社の狙いは分かりませんが、少なくとも作品をランク付けしてなにかをする意図はみえてきません。コンテストもほぼ常時行われていますが、短編やコミカライズ関連が中心です。


(その一方で、書籍化の打診が水面下であるといった話をどこかで見ました。コンテスト関連の記述では、「...お仕事の依頼でご連絡...」などという文言もあります! まったくの憶測なので書きませんが、あれっと思うようなこともあったりして、このあたりなかなかの謎です‥‥‥)


  ♢ ♢ ♢


 結論の結論ですが、今の時点でのNDは周囲を気にせず黙々とやりたい方に向いていると思います。作者は執筆活動を進められます。


 カクヨムを巨大なエネルギーの渦とするなら、NDは森か湖。そんなおもむきでしょうか。


  ―終わり―


PS. 2023年12月30日追記

 重要なことを忘れておりました。

 NDでは、PVが収入につながるような、収入面でのインセンティブはありません。





♦「最期の命令」4332字 あなたの心に刺さります。

https://kakuyomu.jp/works/16817330667744486424

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書き手にやさしいNOVEL DAYS:★、PV、ランキングその他のこと 文鳥亮 @AyatorKK

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