その島に辿り着いたのは、偶然か必然か。

ある出来事をきっかけに入水自殺を図った文が、辿り着いた先は人魚の住む島でした。銀鱗島と呼ばれるその島には人魚族が住んでおり、鱗生病という病が流行っていて──。

このレビューを呼んでくださった方の為にかなり簡略的に要約するとこのようなお話にはなるのですが、実際はこんなに単純な物語ではありません。ジャンルで言えば因習を取り扱ったホラーになるのかもしれませんが、島に住む人魚族の謎や、何故病が流行っているのか、文は何故この島に辿り着いたのか、島に漂う怪異の謎、などと読み進める程に謎が謎を呼ぶ展開はミステリーの色も強く、それらがとてつもないバランスで組み合わされた圧巻の世界観の物語だと思います。

そして、作者様の紡がれた流麗な文章がその世界の色をより強くし、実際にこの目で目の当たりにしているような臨場感を味わえます。島に漂う不穏な空気が文章から湧き立ち、ぞわりぞわりと肌をなぞられているような感覚を是非味わって頂きたいです。

気になって頂いた方は是非御一読ください…!

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