最初の一章から、まさに『Reversal』というタイトルの意味がじわじわと沁みてきます。
そして何より、登場人物たちが皆、美しい。
それは敵対する者でさえも。
だからこそ、彼ら一人ひとりの選択に、自然と心を寄せてしまうのです。
細やかな描写、繊細な情緒の積み重ね、言葉の選び方、そして“余白の美学”。
そうした要素が、物語全体に静かな輝きを与えています。
まるで、読む海外ドラマ。
ドラマティックでありながら過剰ではなく、そして確かに“近未来”の匂いもある。
そんなサスペンスを求めている方には、まず一章だけでも、ぜひ触れてみてほしい物語です。
“人生を逆転”させようぜ。 🌙
舞台は近未来。煌びやかな中央と治安の悪すぎるスラムに分かれたルナシティを舞台に物語は繰り広げられます。
ジャンルとしては、サスペンスものでミステリー要素もかなりあります。ルナシティのスラムで生まれた主人公の視点から、様々な事件の謎を追っていく形です。
特筆する点としては、作者の文章力! ロクでもない町、ルナシティを時には情感たっぷりに、時には冷徹に描きていきます。
ストーリーも全体を通した一本の大きな流れはありますが、短編ミステリーのように短く分かれているので、内容の割にはとても読みやすく感じました。
作者の高いセンスを感じさせる力作です!!
未来都市『ルナシティ』。実際には存在しない都市ですが、まるで本当にその都市がどこかにあるかのように感じてしまうのは、その世界観が臨場感に溢れ実にリアリティたっぷりに描写されているからだと思います。
近未来都市、ルナシティを震撼させた連続殺人犯の正体とは?
自宅の豪邸での殺人事件に関わった子どもの秘密とは?
スラムの下水道に住むマンホールチルドレンの存在とは?
二転三転する展開はまるで海外ドラマを観ているようで、読んでいる者をわくわくさせてくれる事うけあいです。長編ですが完結しているのもお薦め出来る点です。
タイトルにある通りです。
この物語は、小説というかたちでありながら、読み進める程にこの重厚な世界観に呑み込まれ、海外ドラマをみているかのような心地に駆られる傑作だと思います。
かなり噛み砕いて要約すると、近未来都市ルナシティを舞台に、スラム街出身のアダムがこの街に巣食う闇と対峙するというような物語になります。
ただ、作者様が作られたこの世界は細部に至るまで綿密に練られており、二転三転する展開に胸の高鳴りが止まらなくなります。物語の構成はもう圧巻の一言ですが、私が何よりもこの物語で魅力的だと思ったのは一人一人のキャラクター達です。
スラム街で育った幼少期、悲しい過去、それぞれが何かを抱え、彼らは必ずしも正しい選択を選ばないその人間臭さがよりリアリティを際立たせている気がします。キャラが立つって言葉をよく耳にしますけど、まさにこの物語のようなことを言うのだろうなと心から思いました。
この作品に触れ、重厚な世界観に、ルナシティという街に足を運んで頂きたいです。気になって頂けた方は、是非御一読ください。
傑作です。
もう、展開の予想外さにやられっぱなしです。
サイバーパンク都市を舞台にスピーディーでドラマティックな展開、サスペンス、繊細な描写、しびれちゃいますね。
さて、素晴らしい物語で描写も海外のSF文学のようなテイストがあるのですが、でも、もっとずっとリーダビリティは高く読みやすい。つまりストーリーや展開が理解しやすい。
にもかかわらず作者のフックに引っ掛かってやられちゃうのです。だから悔しくて唸っちゃうんですよ。もう、どんでん返しにやられっぱなし。
ミステリーはやっぱりエンタテインメント文学の王道なのだなと思う次第です。
現代日本にも通ずる社会問題をディストピアで描く、骨太の人間ドラマを内在します。
そして、きらびやかなサイバーパンク都市ルナシティとすえた匂いのするスラムにリアリティ、そのなかで主人公のアダム、ヒロインのジュリエットたちの息遣いが聞こえるのです。
スラム、汚れたアスファルト、悲しい生い立ち、ストーリーがどうなって、主人公たちはどこに着地するのか、展開は読めませんが彼らが運命を切り拓き、幸せになって欲しいと祈ります。
魅力的なヴィランもお気に入りです。語ればきりがないですね。
こんな作品もあるなんて、カクヨムってプラットフォーム、スゲーなと思います。
海外SFがのきなみ値上げでちょっとするともう数千円が飛んでいくなか、ほんと無料で読んでいいんですか、これ⁉︎
第2章の序盤までしか拝読していませんが、あまりに面白くてぜひレビューを、と言う衝動に負けてしまいました。
個人的に外国のミステリーを読むのが好きで、その完成度の高いプロットと文章全体から香るウイスキーのような高貴さに惹かれています。
それをまさかカクヨム様の中で拝読できるなんて、驚きと共に幸せを感じます。
スラム出身の刑事がとある事件の謎に迫りますが、硬質で乾いた空気感なのにスルスルと読み進められるのは、作者様の高い表現力によるものです。
しかも近未来の光と闇の雰囲気も同居させているのも凄い……
また登場人物の個性や息遣いもしっかりと描かれており、なぜこの程度の評価?と不思議になるくらいレベルの高い作品だと感じています。