長編小説を書くのは、大学院を卒業するより難しい

秋田健次郎

長編小説を書くのは、大学院を卒業するより難しい

 皆さん、こんにちは。大学院修士課程2年の秋田健次郎と申します。


 え? 一番忙しい時期じゃんかって?


 おっしゃる通りです。


 なぜ、多忙なはずの大学院生がカクヨムで小説なんか書いているのかというと


「社会人になったら小説を書けなくなるに違いない!」


 というある種の強迫観念に駆られた結果です。




 僕はかねてから10万文字越えの長編を書き切ることが夢だったんですが、ついにこの時期まで達成できませんでした。


 ちなみに数年前にも一度チャレンジしたのですが、あえなく挫折しました。


 で、数年越しのリベンジとして書き始めたのが


「ご当地AI『くわ助』は反乱しました。」

 https://kakuyomu.jp/works/16817330659834015741


 ↑この作品です。約3カ月ほどかけて、ついに10万文字越えの作品を完結させることができました。本当はもっと暇な時期にやっておくべきだった気もしますが。



 さて、カクヨムでは何十万文字の大長編をひたすら連載してる強者がそこそこいらっしゃいますが、中々真似できるものではないです。


 大学院で日々研究活動に励んでいる私ですが、研究活動よりも長編小説を完結させるほうがよっぽど難しいと思います。なので、そういう方々は自信を持って欲しいです。PV数が伸びないとか、星がつかないとかは些細な問題でしかないのです。


 長編を書きたいけど書けないという人は多いと思います。かく言う私もその一人です。なので、全く参考にはならないと思いますが、頑張って長編を完結させた数か月に及ぶ戦いを適当に振り返ってみます。






「小説書きたいな~!」


 と思い立ったのが2023年の3月頃です。


 しかし、数年前に悲惨な挫折を経験している身としては、対策を打つ必要がありました。前回の反省点は、計画性のなさだったり単純に文章力のなさ、だったり色々です。


 そこで、

 「極大と極小の空集合」

 https://kakuyomu.jp/my/works/16817330654553569996


 「家の蔵から宇宙人のミイラが出てきた少年の物語」

 https://kakuyomu.jp/my/works/16817330657898668757


 という2つの短編をざっくり1万文字で書いてみました。

 色々問題点はあると思いますが、少なくとも何を書いているのかは分かる程度の文章力と、最低限意識された起承転結を実現できたので、長編の執筆にとりかかります。これが6月頃。


 6月中はプロット作りと設定作りに専念してました。専念と言っても、通学中に適当にメモするくらいなのでそんな大層な感じじゃないです。使ってたのはiPhoneのメモアプリです。


 ちなみに、僕は通学時間が片道2時間という狂人なので、読書時間もプロットを練る時間も山ほどあります。


 シナリオ術の面に関しては、長編を単なる起承転結に沿って作るのは厳しいと感じたので、ビートプロットというやつを参考にしてみました。


「きちんと学びたい人のための小説の書き方講座」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354055193794270

 こちらの記事がすごく分かりやすいのでお勧めです。


 それからは1話あたり300文字程度の計20話のログラインを作ったりもしました。

 ログラインから、本編の文章量がどの程度になるか分からないというのが不安だったので、意図的に展開をちょっと多めに意識。


 実際、終盤は文字数が十分10万文字に達すると分かって、展開を削った部分があります。この辺りは、書けば書くほど感覚がつかめてきそうなので、やっぱり


「とにかく書け!」


 という創作論は当てはまってそうです。


 序盤から中盤あたりまではプロット通りだったんですが、終盤は結構ずれる所があったりして、この辺りはもっと詰められていればなぁというのが反省点です。


 実際に書き始めたのは7月頃からでした。8月に「基本情報技術者試験」というのを取得する必要があったので、その勉強と並行する形です。


 大学院生というと、くそ忙しいイメージだと思いますが、僕の研究室は週二回のゼミにさえ出席して進捗を出せば何も言われないホワイト研究室だったので、週5日は一日中家に籠れます。大学院生と言いつつ、むしろ世の中の大半の人よりも小説執筆に適した環境というね。


 午前中は資格の勉強、日中は研究活動、日が沈んでからは執筆という形で綺麗に3分割された一日のスケジュールをほとんど1カ月黙々とこなしてました。


 とはいえ、執筆速度の限界が一日3000文字程度だったので、中々完成しません。実際、夏休みである8月、9月と2カ月かけてようやく完成しました。長かった……


 当初の目標は、一人くらい読了してくれて、星もくれたりしたら御の字だなぁ、という感じだったので、多くの人に見ていただけたのは感慨深いです。



 さて、10万文字書いてみた所感ですが、「大変すぎる!」に尽きると思います。長編を定期的に書いて、公募に挑戦している人たちとかすごすぎる。リスペクトしかない。


 でも、世の中の人の大半は一生小説を書くことなんてないし、場合によっては年に一冊も本を読まない人すらいる訳ですから。


 みなさん、「書いて」「読んで」いきましょう。


 ここは「カクヨム」なのだから!(サイトに媚びを売る)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

長編小説を書くのは、大学院を卒業するより難しい 秋田健次郎 @akitakenzirou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ