アイドルの君が死んだ後

　この作品は二人の少女が主人公です。それぞれの少女の視点で物語は進行します。

　読み終わったあとは「ふわ〜……」と放心しました。

　読後ち余韻が残る重厚な人間ドラマでした。

　心理描写にリアリティがあり、まるで実写映画を視ているような感覚がありました。

　だからこそ、読み進めれば読み進めるほどガリガリと心が削られてゆく。少女たちの苦しみが深々と伝わってくるからです。

　深い人間ドラマが読みたい方には自信をもっておすすめできる一作です！

　推しのアイドル「凛奈」が卒業してしまい、心の拠り所を失ってしまった「世奈」でしたが、ある日、バイト先でそのアイドル「凛奈」と偶然の再会をします。

　憧れの存在との夢のような時間を過ごす世奈でしたが、凛奈は凛奈で自身の「最後の地」を探しているところなのでした。
　一方の世奈は、アイドル「凛奈」の存在でつらい家庭環境をぎりぎりで耐えている状態でした。

　やがてふたりは互いの事情を知ることとなり、アイドルとファンという関係ではなく、女の子同士で惹かれていくようになっていきます。
　そこには共依存のような危うさがあり、また、つらい現実を見て見ないふりをする日々でもあり……。

　主人公ふたりの…続きを読む

　推しの握手会に行った主人公は、その会場で行われたミニライブで、推しの卒業を知らされる。それは主人公にとって、支えがなくなることを示していた。何故なら主人公の彼女にとって、アイドルである女性は日常で生きる活力そのものだったからだ。
　主人公は女子高校生でありながら、日中に書店でバイトをしていた。推しを失った主人公は、バイト先でも荒んでいった。そんな中、一人の女性が主人公に声を掛ける。
　その女性はこの辺りを観光していたらしいのだが、実は自分の素を探していた。そんな女性の旅に巻き込まれる形で、主人公は行楽地などを案内して回る。その度の中で、主人公と女性の距離は縮まっていく。
　しかし、女性も訳…続きを読む

アイドル、推し、そういうことにハマったことがないんだけど、続きが気になるお話です。サスペンスのようにさえ感じます。人の心の中こそラビリンス。作者の方が意図されている読み方ではないのかも知れませんが、今の私の正直な感想です。このまま迷路を進んでみたいです。

初めてのアイドルものなので、よくわからないかなと思っていたけれど、どんどんと引き込まれる話の展開に目が離せません。
これまでもこれからも展開が気になる作品です。更新が楽しみになること間違いない作品です。

とても苦しい。
リアルな苦しみがある。
アイドルも、それを推すファンにもずっとそれぞれの人生があり、生きていかなければいけないという現実を突きつけられる。

アイドルにキラキラな一面だけを期待しないでほしい。

でも、この作品は読んでほしい。

先を見届けたい。

元アイドル自身の考えと、ファンから見た元アイドルへの考えの違いが面白いです。

推しと一緒の時を過ごせる。
物凄く羨ましい時間をそれだけで終わらせず、物語に落とし込んでいるのが凄いですね。

とても読みやすく、1話1話の文章量もちょうど良かったです！

アイドルオタクの生きがいを心理面から細かく描写している。
　主人公とアイドルの両方から展開しているので、小説に変化があり飽きない。
　あり得ない展開から、今後どのように進んでいくかがとても気になる。

初めて雪村さんの小説を読みました。普段あまり小説は読みませんが、こちらの小説はスッーと入っていける物語で、また次の話も早く読みたいなと思わせてくれる小説です。
タイトルもいいと思いました。