傷ついた駒鳥を救ったのは、ヨークシャーの大地と、それから──
- ★★★ Excellent!!!
女性が働くことを良しとしない世の中で、それでも一人で生きなければならない孤独と困難はいかほどだろうか。
冒頭から主人公ロビンの置かれた境遇と、疲弊してすり減った心の痛みが伝わってくる。しかしそんな彼女に若い貴族であるフレデリックが手を差し伸べたことから、運命の歯車が回り始める。
キャンバスを彩るような美しい文章で描かれるヨークシャーの四季折々の景色。そこに暮らす人々との交流。都会で傷ついた羽が癒されるように、ロビンの頑なな心が解きほぐされていく過程が優しい筆致で細やかに綴られる。そして雇用主であるフレデリックとの近づいては離れそうな恋の行方も目が離せない。
人生はままならない。それでも自分の足で立とうとするロビンを思わず応援したくなる。自分を見失いそうなときにぜひ手に取って欲しい、ぬくもりに満ちた物語です。