余韻が心地良い。ガタゴトと音が聞こえそうな列車感覚も味わえます。

列車というものは〝逃げられない〟感じを醸します。
レールを走るという寓意が含まれているため同じ感じを与える船より、その意味合いが強いのではないでしょうか。

本作は、〝乗り合わせる〟という運命とそれに応じて〝乗り越える〟者とそうでない者の物語として読みました。

二人称という技巧も〝語り部〟の喋っている情感が醸し出されているように感じられます。
不思議な世界観を深く感じられるお話で、楽しめました。