こちたみっ

これ、作中の説明によると「うるせっ」と言う意味だそうです。
はえ~勉強になるなあ、と。
ちなみに「言痛む(こといたむ)」から「言い痛む(こちたむ)」という流れのようで……。

奈良時代に「うるせー」って何ていうのかなんて、私はついぞ知りませんでしたし、奈良時代と言えば大仏様くらいしか頭に浮かんでこないような私ですが、作者様の作品を拝読するたびにその時代に生きる人たちの生活が、とても具体的に想像できるようになりました。
(もちろん、フィクションの部分もあるとは思いますが……)
ことほどさように、作者様は何気ない奈良時代の日常を、とても生き生きと描写する力に長けていらっしゃるのです。
本作はそんな作者様による、あるひと時を切り取った物語ということになります。

作者様は「あらたまの恋 ぬばたまの夢 〜未玉之戀 烏玉乃夢〜」という物語を主軸とした数々の前日譚、後日譚、スピンオフを描かれていて、本作もその一つです。
故に、いきなり本作から拝読するより、まずは「あらぬば」から始められることをオススメします。