文章全体から感じるリズム感や、所々の言葉選びが個人的にとても心地よく、読み返したくなる作品でした。 SFの短編というと仕掛けやアイデアを優先しがちですが、こんな表現も良いなと思わされます。
フラクタル――――マンデルブロ集合などにおける自己相似性を保った形です。たとえばシェルピンスキーのギャスケットが有名なところでしょう。本作はそうした自己相似構造を物語の構造に当てはめた構造の小説であるとも言えます。とてもよい文芸作品です。
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