「黒ばら王女と螺旋の廃城」は、ファンタジーと政治ドラマが見事に融合した壮大な物語です。アスカ王女の冒険は、彼女が自らの運命を切り拓く姿を描きます。彼女が率いる仲間たちは、廃城のダンジョンで魔物との激戦に挑み、骸骨騎士スケルトンキングという強大な敵を倒すことを目指します。しかし、物語は戦闘だけでなく、政治的陰謀や恋愛の要素も巧みに組み込まれています。
アスカのBL趣味が護衛騎士ファブレガスにバレるというユーモラスなシーンもあり、キャラクターたちの人間味が光ります。また、ミランダ王太后からの結婚の提案やペンドラ侯爵の要求に対するアスカの反論など、政治的な駆け引きも物語に緊張感を与えます。
そして、物語は予期せぬ展開と緊張感に満ちており、読者を引き込んで離しません。アクション、ドラマ、そして少しのロマンスが絶妙に調和した作品であり、ファンタジー愛好家には必読の一冊です。
「なんて、きれいな頭蓋骨なの」
ダンジョンと化したお城。
黄金の骸骨騎士《スケルトンキング》を見て、黒髪の王女様はそう言った。
テバレシア王国アスカ王女は、国王である父にあるおねだりをする。
それは、ダンジョンとなったリヒトラント城を自分のものにしたい、という願いだった。
熾烈な戦いを繰り広げるアスカと骸骨騎士。だが、骸骨騎士は剣を鞘に収める。
「その獅子の紋章、貴女はテバレス王家に連なる者か?」
「私の名は、ファブレガス。――どうか私の剣をお受け下さい」
こうして、アスカは忠実なる騎士を手に入れ、城を制圧。
ところが、アスカは女と言うだけで、リヒトラント城の領主にはなれないと言われる。
リヒトラント城の領主となるため、彼女は王太后に、自治都市ゴウマを従属させることを条件にされたのだが……
さまざまな思惑が交差する中、時折触れる『サンタンデル』の謎とは――。
ヒロインのアスカ王女や、ホネホネ護衛騎士のファブレガスをはじめとする、癖の強いキャラクターが魅力的!
それでいて世界観や政治的な背景がよく練りこまれていて、アスカ王女は様々な思惑に巻きこまれながらも、目標に向かって突き進んでいく姿が美しくてかっこいい。
文体もシンプルで読みやすく、ハイファンタジーでの国家観などの説明文でもすんなりと頭に入ります。
コメディとシリアスのバランス感が気持ちいい。
重苦しくはないけれど、ストレスが適度にかけられているので、ぐいぐいと読み進められます。終盤はスカッと爽快です。
骨太のライトファンタジーを求めているならおすすめです! ホネだけに。
おもしろかった!
黒一色のコーデを身にまとうマグナシア帝国の美しい王女、アスカ・テバレス。彼女は、黒ばら王女と呼ばれていた。そんな黒ばら王女は装いだけでなく、趣味も風変わりだった。
彼女は、武芸とホネをこよなく愛する王女だったのだ!
あるとき、そんな黒ばら王女はホネホネ騎士のファブレガスを護衛騎士にすると言いだして……
明るく賢く美しくしい王女がとても魅力的です!個性的な装いからも分かるとおり、自分のスタイルをつらぬく強さも持つ女性で、彼女がいるだけで場面が華やぎます。
ホネホネ騎士ファブレガスは、コメディ担当課と思いきや、実際は勇敢で真面目な頼りになる騎士様!見た目と中身にギャップがあって、キャラがたってます。
上記のような個性的なキャラを追うだけでも楽しいのですが、そこに政治的な駆け引きなど国の在り方に関わる問題が関わって来るのも本作の魅力のひとつだと思います。
コメディ要素も欲しいけど、しっかりとシリアスな物語のある小説が読みたい人におススメです☆
以前『冒険者ギルド9625』を拝読した際に、作者様の描く女性が生き生きしていて素敵だなと思ったのですが、本作の主人公アスカ王女も大変魅力的で心惹かれます。
品があって知的。
美形にもかかわらず全身黒コーデで型破り。
なにより武芸とホネをこよなく愛している♡
風変わりで天真爛漫な少女かと思いきや、
政略を素早く見抜いて時には可憐に首を傾げてみせたり。
さりげなく権謀術数にも長けている。
そんな生きるしたたかさを身につけた素敵な女性や、
イケメンボイスでホネホネな騎士が出てくる、
シリアスとギャグのバランスが絶妙なユーモア溢れるファンタジー。
ライトな感じで綴られているのでサクサク読めてしまいました。
続きも楽しみにしております✴️
22話まで読んだ時点でのレビューになります。
なんというか、ちょっと特殊なものがフォーカスされてしまってるので、コメディかな? と思っちゃいますし、思わず吹き出してしまうところが多い小説ではあるのですが、物語の骨格はしっかりしてて、読み応えのあるストーリー重視の小説だと私は勝手に思ってます(ただ、異論はあるだろうなぁ・・・。だって〇〇なんですものw)
注目してほしいのは、王女様のトークシーンです。会話で物語を引っ張っていく力とか、読者の心を鷲掴みにする力は見事の一言です。また、戦闘シーンも描写がすごくいいんですよ。
登場キャラの動きちや、話し方や会話文の出来の良さで、ちょっと勘違いしちゃうかもしれないですけど、この小説の根底に流れてるものはストーリーだと思うんだけどなぁ・・・。私はそう感じるんですけどね・・・。間違ってますか? 作者さま?
本作は、設定の確かな王道異世界を舞台にしたファンタジーです。
先ず、帝国が統べる王国のできごとから始まります。
主人公アスカ・テバレス王女は、黒ばらと二つ名があるようです。
脱いだら可愛いのにと私は思う程、ぬばたまの黒好きです。
うちのリアル家族もそこまで黒が好きかと思う程統一しているので、きっと本人の拘りは崩し難そうです。
各所で色を意識して描写がされている所も特徴的でした。
ダンジョンは作者様もお好きな所ですね。
颯爽と地竜に乗って出た場面では、絵になると思いました。
見えないけれども、砂埃や陽射し、乗って揺れる様も想像できます。
本作では早目に凱旋して来ました。
多分、お土産を早くお連れしたかったのでしょう。
父に対して、恩を返したい気持ちを察せられました。
アスカの趣味は、その記述はないけれども黒魔術的で、ホネ愛に仰天しました。
アスカは途中、ナイスな出会いがあり、ホネまで愛してと言うよりホネを愛してお持ち帰りです。
アスカの側で働く者が、骨格標本を持ち出したときは、作者様の筆のノリを感じました。
私はシリアスギャグが好きです。
あざといアスカさん、応援していますよ。
イケメンの定義を学べます。
是非、ご一読ください。
レビューのタイトル「自分のお城が欲しい!乗り込んでいったら素敵なホネとの出会いがあった!」
どういう意味?
死んだ人の体の一部のホネ?
そのように思う読者がいるかもしれませんが、読んだらわかります。
まさに、素敵なホネとの出会い。このホネの方、イケメンヴォイスなんです。耳元で愛を囁かれたら、ときめいてしまうかもしれませんね。
そして、このホネに出会う主人公が、カッコ可愛い王女様。
全身黒コーデ。イケメン親衛隊がピンチになっても逃げたりせずに敵に立ち向かう勇敢な女性なのです。
強い。頼もしい。ちょっと変わっている。でも、可愛いところがたくさん。
王女様を中心とした会話には、ニヤニヤが止まりません。
でも戦闘シーンは本格的で、かなりかっこいい。
ぜひ、強くてキュートでお茶目なファンタジー世界に痺れてください。