これは……サイコパス……

主人公は人殺しをしたわけですが、それに対する罪悪感があるようなないようなあるような……。それは作者が作中で書き切れていないとかそういうものではなく、すべてが作者の計算のうちなのか……。だとしたら主人公はとんでもないサイコパスキャラなのでは……。とにかく不思議な魅力の小説です。
主人公は年相応の感情があるけれど、ときどき強烈な破滅願望を感じさせてくれて、それがとにかく読者に強い印象を与えてきます。
この不思議な主人公を表わす言葉としては「穏やかそうな少年」「どこにでもいる少年」「ラブコメの主人公っぽい」などあるかもしれませんが、私は
「あれ? この主人公。実はとんでもないサイコパス。……もはやモンスターなのでは?」
としか思えませんでした……。
とにかく読んでみてほしいです。魅力的な主人公です。
主人公は普通の少年っぽいんですが、その普通に強烈な違和感を覚えます。
主人公の深層を探り出したらとんでもない底なしで、きっと正解は作者の中にしかないんだろうなって思います。

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