第8話「見本の最新話『ガーデンパーティー迎撃戦?』」(2023/11/7(火)Lit.Link投稿/元原稿も2023年11月7日(火)作成)

《ガーデンパーティー迎撃戦?》


一昨日の日曜日の午後(2023年11月5日(日))。

奏良音(そらね)の屋敷でガーデンパーティーが開かれ、その手伝いでマスター=中央メインアバ=(※)も、もてなす側で参加していた。


マスターは、ソラ男=左セカアバ=(※)が所属し司郎が所長になっている猫髪(ねこがみ)探偵事務所が入っているビルの1階にある、カフェレストランのマスターをやっていて、ソラ男たちとは親しい間柄である(名前未定、年齢はソラ男とボスこと司郎(しろう)の間でアラフォーに差し掛かった辺りに以前に決めてみたはず)。


今日のガーデンパーティーは、奏良音(そらね)ママの視幸(みさき)=右セカアバ=(※)が自分のブランドMISAKI(視幸(みさき)はファッションデザイナーである)のアバター版の服を愛用するお得意様のVライバーがイベントのラスランを盛り上げるために、リア凸OKのリアルパーティー会場からの配信企画として主催したもので、それに会場を提供している。というか、パーティー費用、それは出される飲み物や食べ物だけでなく警備費用も含めた人件費等もろもろ含む、も視幸(みさき)の持ち出しで、実質視幸(みさき)が主催者である。


お得意様といってもVライバーで、買ってくれるものはリアル服の10分の1とかの価格になるバーチャル服(アバターアイテム)であることから、大した取り引きがあるわけではないし。視幸(みさき)がそのVライバーの熱烈なファンで、推しにしてる、というわけでもない。だが、人気のあるVライバーではあるので、企画を持ち出された時に無下に断るわけにも行かずに引き受けた形だ。


Vライバーである以上、身バレというか中の人の外見が明らかになることは、普段の自分の姿として見せているアバターとのギャップで、イメージ戦略上好ましくない。だからリアルでのイベント開催は、リアアバ(リアルアバター=リアルの素顔)を公開していない場合は避けるべきところだが。


ここは、“この街”では、2021年3月からの実証実験で、アドヴァンスド・アバター社が開発したLimited XRアバターという、リアルの空間でもバーチャルなアバターを身にまとえ、特殊なゴーグルなどのデバイスもアドヴァンスド・アバター社のアカウントすら持っていない人でも、そのアバターをリアル空間で画面越しでなくとも認識できるようになっているため。


万が一にLimited XRアバターの不具合でまとっているアバターが消えた場合、もしくはアバターを認識できず中の人のリアルの姿が見えてしまう場合に備えて、ベースで着ているリアルの衣服や化粧やマスク、サングラス等で変装をしておいた方が安全だが。


見た目だけなら、画面の中のバーチャル空間での姿のまま、“この街”でならリアル空間でも見せられる。

だからこのガーデンパーティー配信も成り立っている。


「(このガーデンパーティー開催に使った金額分を有料ギフト(投げ銭)として彼に投げた方が、確実にスコアポイントを稼いでイベントのランキングトップをとらせることができるのだけど。

副賞のリアルグッズだって、イベントの主催会社のロゴが入ってるわけでもなく限定品でもないのだから、自分で買うか、気前のいいリスナーさんにホシイモノりすと経由で買ってもらえば手っ取り早くて安くすむのに。上位入賞の条件を満たすために、一人でグッズの値段以上になるギフトを投げてる人もいて……。

でも、そうよね。人って自分を求めてほしい、そのバロメーターに自分のために動いてくれる人がどれだけいるか?それをもっと、もっと、って求めるものだから……)」


視幸(みさき)は、ガーデンパーティーでの主催者であるVライバーが、ラスランの昼の部の配信をして、イベントのランキングトップにさせてほしい、そのためのイベントスコアを稼ぐためのギフトを投げてほしいと、暗に、と直接的に、を使い分けながらリスナーに要求している姿を見ながら、そんなことを考える。


「(彼は、少しその辺で勘違いする方向に行く気配が、今回のことで漂(ただ)っているけど。

奏良音(そらね)とソラ男には、この先そうなってほしくないわね。私が昔に“視た”二人の未来像ではそんな雰囲気はなかったけど。未来はどうなるか?なんて確定じゃないから……確定じゃないと、それを前提に成り立っている部分が崩れてしまって。最悪、今の世界が崩壊して消えてしまうかもしれないけれど。

私が“視た”未来像のひとつと実際の姿が違っていたことを知った時。それでもその相手を選んで、相手にも私の手を取ってもらったわ。その私たちの世界に対する罪の償いの方法を探った結果が……)」


ドカッ、バキッ、ゴッ、ドォーンッ!!!!


「あっ、お前、下手に力を使いやがって!危ないだろう?!」


視幸(みさき)の思考を破って、激しく争う音と、爆音、誰かを注意する聞き慣れた、ソラ男の声が聞こえてきた。


「……爆音?!」


チラッとそちらの方を見ると、侵入者と思われる集団と主催者のVライバーの間にソラ男が立ちはだかり、侵入者たちを蹴りで防いでいた。


蹴りでと言っても直接相手を蹴っているのではなく。蹴りの動きで一種の結界を作り出して、その結界に触れたものを結界の防衛的拒絶フィールドが弾き飛ばしている(ちなみに、ソラ男とは逆に結界をガラスのように砕(くだ)いて壊せる、蹴りの能力の持ち主もどこかにいるらしい)。


これはエクストラバッジの持ち主がエクストラバッジを懸けたコーデバトルをはじめとしたバトルで使える能力で、その能力は所持しているエクストラバッジによって様々である。名称的には同じエクストラバッジであっても他のエクストラバッジとの相乗効果や、所持者自身の潜在能力やイメージ力次第で能力の発現の仕方や内容が違ってくる。


ソラ男の場合は、エクストラバッジ、それもユニークエクストラバッジの所持数が多いので、この蹴りの能力がどのエクストラバッジの影響かは不明だが。


防御能力に特化は、司郎原案のアニメ『空猫ପ†ଓクローム』のヒロインで奏良音(そらね)がモデルの主人公空野 奏(そらの かなで)の相手役である、魔法の王国シルバー・ホワイトの王、通称で魔王のクローム・ホワイト9世が防御魔法に特化していた設定の、イメージの影響を受けている可能性もある。


「ああぁん?下手に、だと?それはテメェがオレの攻撃を弾き飛ばしたからだろ!」


「それはそうだ。今日のパーティーでの護衛対象である主催者(Vライバー)を狙った攻撃だったからな」


「今日はそいつを消してほしいという依頼を受けて、ついでに持ってるエクストラバッジを奪いにきたんだ」


「依頼だと?」


「ああ。何でもそいつは過去に配信のイベントで不正をしてライバルを上回るギフトを投げてもらって勝ってきたらしい。だがそう通報しても運営は何故かだんまりで動かず放置で。競ってた他の配信者たちから不審と恨みを買ってるのさ」


「不正だって?証拠は?」


「んなもの知るか!オレはただ依頼を受けたからやるだけで、事実かどうかなんて関係ないね!他のやつらもそうじゃないのか?」


中心人物らしい男がそう言うと、他の者たちは肯定するかのように、否定もせず、それぞれの得意とする戦闘スタイルの構えを解かないでいる。


「まぁ、不正が本当にあったとしてもお前たちの今やっている行為を正当化することはできないぞ。そもそもエクストラバッジの争奪戦においては、物理的な暴力なしのコーデバトルで、というルールだろう?」


ソラ男が怯(ひる)むことなく、もっともな指摘をする。それを受けて男は、フハハハッ、とバカにするような笑い声を上げた。男の仲間たちの中からも、ククッ、や、フッ、フヘヘヘ、という失笑の声が漏れ聞こえる。


「それは日本のなかでも、リアル空間でもLimited XRアバターを身にまとって変身ヒーローやヒロインを演じられる、“この街”限定の脳内お花畑なルールだろう?」


「いや?全国……全世界でも適用のルールだが?Limited XRアバターはリアルで身にまとえなくても、端末の画面の中でもコーデバトルはできるからな?」


「それはそうだろーがよ。エクストラバッジ争奪戦は命懸けなのよ?わかる?お上品にやったって最後は勝ち負けで、結果が重要だぜ?そうなれば力ずくででも、ってなるのが普通だろう?」


「お前たちはそうなんだろうな。だが俺様は違うからな。そっちが実力行使というなら、こっちも実力行使だ」


「へっ、結局はテメェだって暴力に訴えるんじゃねぇーか!」


「俺様の場合は専守防衛で、正当防衛で、だがな」


「面白い!いつまで防衛でやり過ごせるかな?こっちは人数がいるんだぜ?」


「……あの~」


そこに遠慮がちに声が差し挟まれる。それまで様子を見守っていたマスターの声だ。マスターは斜め前方に立つソラ男に向かって言う。


「私、実は少々腕に覚えがあります。彼らの排除のお手伝いもしましょうか?」


といって、執事風の服装の上着を脱いで腕をまくろうとする。

なんと、ひょろりとした見た目で性質的にもおっとりした印象のマスターが?昔にでもやんちゃをしていたとかで?!


「いや、これはエクストラバッジに由来する“力”も使われるから。マスターは下がっていた方がいい。……できれば視幸(みさき)のそばで俺様の代わりに、さっきみたいな飛び火から守っててくれないか?」


「奏良音(そらね)ちゃん、じゃなく?もちろん視幸(みさき)さんは一時的にとはいえ今の私の雇い主でもありますから、言われずとも守りますが。あれ、そういえば奏良音(そらね)ちゃんが見当たらない……あ、主催者の席の横に座らされてますね」


「ああ、ヤツ(Vライバー)が主催者の立場を勘違いして、自分を接待させていたんだ。あとで俺様がヤツを『未成年者に手を出すつもりじゃないだろうな?』と圧をかけて絞めるつもりではいたが。邪魔が入ったのでそっちを先に片付ける」


「なるほど?わかりました。でもソラ男さんお一人で大丈夫なんですか?」


「いや、一人じゃないぞ?ここは奏良音(そらね)の屋敷の庭で。視幸(みさき)が雇っている、師匠が頭領の忍び一族が勢揃いだからな」


「え、ソラ男さんの師匠?忍び一族って……どこに?」


マスターがキョロキョロと辺りを見回してみても、それらしい人影は見当たらない。ガーデンパーティーの主催者のVライバーとその仲間でもある取り巻きの人々と、ついでに奏良音(そらね)、招待客たちと会場のあちこちに配された、マスターも引き受けている給仕役の人たちがいるだけだ。

そういえば、警備の人間が見当たらない……見えない位置で待機してるのだろうか?


「師匠はここの執事長で、その配下の給仕役たちが、忍術をはじめとした各武術を身につけた、忍び一族の人たちだ」


※※これはフィクションです※※


(※元のSNSな投稿先ではそこでの利用に限られるアバターを使ったコーデ画像が付いていて。でも他所で外部になる場所での投稿時には、画像無しになるけど。画像がある前提での説明箇所を残したまま、の掲載例(※※))


(※※何でそのままかというと、そもそも元の投稿内容を他所に再投稿するのは、SNS上ではそのSNSの会員以外基本的には見てもらうことができないから。公開前提ならそうではない場所で、というのと。

そこでは過去の投稿を遡って確認するには、自分と他者どちらの立場でも、無限∞スクロールで読み込み続けるしかなく、記事検索やページ指定ジャンプ等の機能が無い(無限に?かは怪しいが縦に延々と長い1ページしかない)ため不便であること。

最古の辺りに初期の重要な、だが初期のゆえにいつでも見られる状態に騙されて、元メモを投稿後に削除していた(投稿用に1コメの文字数制限にあわせて分割して作成→コピペでコメントに貼り付ける時に、コピーではなく切り取りでもコピペできるのを利用していた……)ため、手元のメモも残ってなく、投稿先でも確認できない絶望的な状況。

を打開するため、最新の投稿から順次削除していき、無限∞スクロールの軽減をして最古の層を発掘したいと考えてはいる。

けど削除するというのは精神的に負担が大きいので、どこかに過去ログを残しておきたい(画像付きでの過去ログは、それに適したアプリを介して端末上に残すつもりだけど。端末に何かあった時に、文章メモだけでも残っていてほしい)。

ので、人に見せるには難ありだけどアイデアメモの投稿ということで。

あと作業的にも、元原稿のままコピペだけで、もしくは最小の注釈を付ける作業だけで……元のコーデ画像の、背景はどんなで、各アイテムの配置がどうのこうので、という詳細説明を画像から文章化して抽出する作業をせずに……済ませられるなら楽、ということで。

が理由になります)


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