第12話【野良猫、お犬様と対峙する】
遂に俺達は犬神教の本拠地に辿り着いた!
まぁ遂にと言っても
まだ徒歩一日しか経っていないが。
動物だけでは
人間の交通機関は使えないので
案外ご近所だったのは非常に助かった。
後は犬神教の建物に侵入しなければならないのだが、これも案外簡単だった。
というのも
この犬神教は犬を神として
崇めている教団なので
お犬様用の出入口が完備されていた。
そこをタロスケを隠れ蓑に侵入!
ほぼフリーパスで建物を歩けたのだ。
「この建物を警備しているのが
兄上が河川敷で集めたお友達だったので
快く中に入れてもらえたでござるよ。
拙者も久しぶりに彼らと会えて
嬉しかったでござるよー。」
何だこのコミュ力の塊のような毛玉は。
いや、犬は元々群れで生活する生き物だし
犬にとってはこれが普通なのか?
「むっ、臭いが近いでござるよ!
こっちでござる!」
タロスケが臭いを追って廊下を駆け始める!
あぁタロスケ、もう俺にも分かるぜ。
この廊下の先からは
凄まじい魔力が感じられた。
それも俺はこの魔力に
覚えもあった・・!
そして、俺はついに
目的の部屋の大扉の前に到着した。
「では扉を開けるでござるよ!」
タロスケがその大きな体を扉に押し付けて
ゆっくりと大扉を押し開いて行く。
そして、その奥には・・
「ハーっハッハッハ!
遂に来たな勇者よっ!!」
「やはりこの魔力は・・
お前だったか魔王!」
「ハッハッハ・・おや?
勇者殿は前に見た時より
随分と可愛らしい姿になったではないかw」
「お前にだけは言われたくないわっ!
何だそのふっくらモフモフの体は?
柔軟剤でも使って洗ってるのか?
なぁゴールデンレトリバーさんよw」
「雑種猫如きがほざきおって・・っ!
血統書付きのお犬様様に
お前ら野良猫風情が
勝てると思っているのか!?」
「あぁ、俺は元の世界でも雑種の
野良猫同然の冒険者をやってたさ。
だがなっ!そんな雑種冒険者でも
血統書付きの魔王様に
勝つ事だってあるんだよ!
・・キャラメルくん!」
「・・・・っっっ!!!
きっ、貴様っあぁぁーーーっ!!!
今ライン超えたぞ!!!
言ってはならない言葉を
今、貴様は口にしたのだっ、
死ぬ覚悟は出来ているんだろうなぁ!?」
「あぁ、また返り討ちにしてやるよ!
行くぜ犬魔王っ!!」
「来いっ!猫勇者っ!!」
果たしてこの犬魔王と猫勇者の戦いは
或いは犬猫論争の決着は
どちらに軍配が上がるのか?
俺達(犬と猫)の戦いはこれからだっ!!
ご愛読ありがとうございました。
(番外編有り)
番外編は11月21日 7:00投稿予定です!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます