他人の裏を見たいでしょ?

いつの時代も、人は他人の裏、それも汚いものを見たいもの。人の不幸は蜜の味、という言葉もありますし。

占い。すがる側は必死。でも占い師は現実世界に未来を見る方法なんてないと知って商売している訳ですから、始めから嘘を孕んでいます。そんな嘘つきの前に、人生を左右する難題が晒される訳です。他人の不幸を見るのになんと美味しい構図なのでしょう、占いというものは。

本作は占いが持つ虚構性を舞台装置としてフル活用して、他人の裏を暴いていきます。それも複数人。複数の視点を重ね合わせることで、話の裏の裏まで暴かれます。

読んでいてきついですよ。でも読み終えると楽しいですよ。人の不幸は蜜の味、ですから。