いつの時代も、人は他人の裏、それも汚いものを見たいもの。人の不幸は蜜の味、という言葉もありますし。
占い。すがる側は必死。でも占い師は現実世界に未来を見る方法なんてないと知って商売している訳ですから、始めから嘘を孕んでいます。そんな嘘つきの前に、人生を左右する難題が晒される訳です。他人の不幸を見るのになんと美味しい構図なのでしょう、占いというものは。
本作は占いが持つ虚構性を舞台装置としてフル活用して、他人の裏を暴いていきます。それも複数人。複数の視点を重ね合わせることで、話の裏の裏まで暴かれます。
読んでいてきついですよ。でも読み終えると楽しいですよ。人の不幸は蜜の味、ですから。
この作品、作者・麻木香豆様の沢山あるドロドロ作品の中でもずば抜けてドロドロしています。
モラハラを受けている主人公キョウコは占い師で、悩める子羊に愛の手を差し伸べるのですが、それって実は慈悲でも何でも無くて復讐で……。
夫には愛人がいますし。しかも複数。
それぞれの立場的にも読んでて泡吹きそうなくらいドロドロしていますし。
夫からのモラハラ、義父母からのいじめ、さらにママ友は……。
と、ドロドロ要素がぎゅっと詰め込まれた本作品。
レディコミ的ドロドロが好きな人間にはたまらない魅力があります。
突き抜けてドロドロしているこの作品を是非読んでみませんか?