占い師キョウコの企み
麻木香豆
第一章 敦子
第1話
「よ、よろしくお願いします……」
「緊張しないで。肩の力を抜いて」
「こういうところ、初めてなんです」
「そうなのですね、大丈夫ですよ」
私はこの占い通りで占い師をしている。小鳥遊飛鳥。占い師としては「きょうこ」という名前で活動している。
今日もまた一人、迷える子羊……が悩みを抱えてやってきた。彼女の名前は敦子。40前半。
「……あの、なんでもよいのですか」
「ええ、なんでも」
敦子は怯えたように私をみている。私の格好が袴と顔にかけた目だけ見えるマスク、そこから見える目もアイメイクとカラコンだから異様なものに見えたかしら。
私は微笑んだ。
「なんでも」
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