第13話 シナモンクッキーと始まりの訪問者
「ちっ〜すっ!
自分はぁオーレンと言いまっす。
レンレンとお呼びください。
えっとぉ得意な事はぁデカイ得物を振り回す事とぉ、シャドウ系の魔導が得意っす。
属性はそこのイカと同じ暗黒なんで諜報と暗殺に特化してまっす。
憑依してるレンレンも同じですねぇ〜得意分野が被っててぇ、そこにシャドウ系の魔導がプラスされた感じ?
あぁレンレンはぁ火炎系も使えますね。
元のレンレンはぁちょっとしたイザコザで故郷にいられなくなっちゃってぇ、王国の間諜に所属する事になりましたっ(^_^)」
「曇りの無い笑顔で自己紹介ありがとう。
そうね、そのイザコザの詳細をお願いするわ、レンレン」
「えっとぉ戦争から帰ったらぁ〜許嫁がぁネト ( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン ガフッ」
いきなりウエイがレンレンを殴り飛ばしました。
「痛いぃ兄じゃぁイタイ。・゚・(ノД`)・゚・。」
「失礼しましたお嬢様、少々下品な物言いをしそうでしたので、こちらで制裁を加えさせていただきました。
この素体は、故郷にて因縁深き敵対者を掃討しつくしたようで、地方領のひとつが死滅、婚姻の約束を交わしていた相手を晒し首にしたようで、当時の司法長が処刑求刑後、私と同じく恩赦にて間諜となったようです。」
『うぇいうぇいと同じで、ガチホラーな経歴だね。』
おやつを食べて帰ってきたら、従順な態度になった二匹の犬がキラキラの瞳でお出迎えしてくれました。
そして唐突なアピールタイム。
レンレンはソノラとは違った意味でチャラチャラっとした感じです。
「ちょっと疑問に思ったのだけれど、ウエイとレンレンは兄弟なの?」
「はい、我々は同じ株より作られし天魔の系譜にございます。」
「。・゚・(ノД`)・゚・。閣下ぁ〜お嬢様に俺達の分類教えてあげてぇ、きっとわかってないよぅ。
兄者兄者ぁ蹴りはやめてぇ」
無表情で弟を足蹴にするウエイ。
「お嬢様に下々の下品は話題を耳に入れさせるでない。次はその素体を潰し他の者に交換していただくぞ」
「(´・ω・`)ショボーン」
ショートコントの後に、ゴツい男二人が土下座をカマしてきました。
ドン引きですわ。
というか、反抗的態度を躾けようとする前に、何故に土下座?
『うん、ヘルベルトらしい実験がよかったみたい。
時々、構ってあげてね、よろこぶから』
「天魔あるあるっすお嬢様。クレクレ精霊とは違って、ちょっと虐入ってると、ウキウキしてキャちゃうのが、アタシらの基本っす。」
「いやよぅソノラ。
私、パワハラ系上司って嫌いなんだけど。
なんでしょう、この短時間にお笑い体質になるなんて。
まぁいいでしょう、天魔くん天魔くん、分類ってなに?」
『ぼくっちは天魔だよね。
で、ぼくっちの仲間を魔、悪魔と呼んでいる。
るいるいが考える魔物とは別の種類になるっち。
魔物って言うのは、魔素を帯びた野生動物以外の、魔素そのモノから生まれた魔界生物全般を言う。
そういう意味では、天使も天魔もすべてが魔物だね。
で、その魔物でも神系譜、神王と魔王の二系統がある。
勘違いしてる部分もあるけれど、この神と魔は敵対している訳じゃない。
ルールを守って遊んでいるだけなのさ。
さて、この二系統を説明するるんよ。
聖属性を帯びていれば、天使、精霊ってな存在っち。
魔属性を帯びていれば、天魔、妖魔って感じだにょん。
天使は聖霊とも呼ばれているし、聖霊と精霊の違いはパワーの差だね。
力こそぅパワーヽ(・ω・)/
そしてぼくっちは、天魔だ。
天魔の下が妖魔、やっぱり力の差だけの括りだ。
彼らはぼくっちよりも力が下で、ぼくっちに従ってくれている妖魔になる。
けど、あくまでもこれは人間向けの区分でね。
妖魔って彼らをしているけれど、実質は天魔なんだ。
他の天魔と比べても力だけなら天魔と呼んでもいい。
じゃぁソノラはどうか?
うぇいうぇいが、彼女を低級魔と呼んだのは存在値と力の大きさからなんだ。
つまり彼女は妖魔だ。
で、そんな妖魔を人間に受肉させると魔人という天魔の系譜、従う者になるのさ。
まぁ面倒くさいしわからんちってお話だよね。
じゃぁおおざっぱな考え方。
聖属性と魔属性の二系統の生き物がいるだけなのさ。
そしてこの2つは属性の違いってだけ。
で、名前や階級が違うのは、存在の大きさと能力の高さだけ。
現世に顕現して遊んでいるのは、存在と力を大きくさせる遊びなのさ。
わかった?
魔人から得られる存在値とそれを従える者の存在値は=になる。
意味、わかる?』
「存在値、つまり天魔くんの仲間が増えると、天魔くんの力も=で増えていく?」
『その通り。
そして支配級のぼくっちの力が増せば、その配下も力が増す。
勢力が拡大すればするほど、ぼくっちも強くなり、ぼくっちをスキルとして所持している、るいるいもお得になるのさ』
何だかやっぱり戦争シュミレーションな感じですね。
『ここで重要になってくるのが、支持率だ。
人間の場合だと領地支配率と民衆支持率。
精霊や天魔だと人間支配率と好感度かな。
精霊や天魔からすると人間は遊びの駒なのさ。
けれど、その中でも精霊や天魔を使役する事でぼくっち達以上の力、支配率支持率好感度を得ちゃう人間が出てくる。
こうした傑物を排出するのが名門貴族って事さ。
ただし、現在の人間はすっかりその事実を忘れているし、失伝しているねぇ』
何となく外枠だけは理解できました。
まぁこれも天魔、悪魔の意見ですし、天魔くん個人の見解でもあるでしょう。
参考意見ですね。
「で、先程、おやつを頂きにまいりましたら、本館が来客を迎えるとの事でざわついていましたわ。」
『誰が来るのか調べたんだよね、ソノラ』
「ホーデイドのクソ司教どもっす」
「名前はわかるか?」
ウエイの問いに、彼女は真面目な顔で答えました。
「精霊憑きはいねぇっすよ、お爺ちゃん( ・ิω・ิ)」
「..お前の爺様になった覚えはない。殺すぞ」
「お嬢様ぁ、爺が虐めるっす((o(´∀`)o))ワクワク」
「いい加減、煽るのは止めなさいソノラ。
最近はキレる年寄りも多いと聞きます。」
「お嬢様、私は年寄りではございません。未だ現役の戦士にございます。( ー`дー´)キリッ」
「どうしたのかしら、お笑いが伝染病のように広がっているようですね。」
『うぇいうぇいは、天然だからねぇ(*´ω`*)』
「天然..
聖堂騎士はいないという話で、ホーデイドの司教、司祭や助祭達という話でしたわ。
人数は十数人とか。」
「大物の精霊憑きは一人だったはずですよ、兄者。
名前はブレイミアス・ガレス司祭だったかと。
異端審問もするバリバリ武闘派っすね。」
『そいつは来るのかい?』
「いいえ、ガレス司祭はいませんでした」
『残った、のか?』
「それは良いことですの、不味い事ですの?」
私の問いに魔人二人は少し考え込み、天魔くんも無言です。
『あまり、よくないかもかもだね。
何時頃、到着なのん?』
「今夜と聞きましたよ。晩餐の用意をして待つと」
『このヤークブックの総合戦力、人員数、人間の数、馬の数を報告してねん。
それから、いつもの選別だ。
午前中の内に退路確認もして、お前たちの動きは基本かくれんぼでヨロ。
るいるいは動ける範囲で物資を調達。
もしかしたらだけどねぇ、ちょっと予定はマキマキになるかもぉ』
「説明は願えるのかしら?」
『予想で良ければ(*´ω`*)
それからひとつ、聞いておきたい事があるんだよん』
「何かしら?」
『るいるいはぁ、このヤークブック城でぇ、助けたい命ってある?
それかぁ守りたい財産とかぁある?
これは私の物よって、ぜったいぜったい他人に渡したくないのんって物』
ある意味簡単で、ある意味難しい問いですね。
正常な子供であれば、正しい答えを述べるでしょう。
もちろん、虐待児に正常な答えを求めても困りますし、残念ながら、私はルイルイであってルイーズではありません。
「本気の問いかけではありませんわよね。
私、その手のジョークは嫌いですのよ。
まぁジョークだとしても一応答えてあげるわ。
よく聞きなさい、悪魔たち。
脆弱な人間の私は逃げる選択しか無いでしょうね。
でも、それでも聞いてくるなら答えてあげるわ。
ここに私が気に掛ける人間なんてひとりもいないわ。
復讐を直接果たせないのは悔しい限りですけれど、何か起きて死ぬのはごめんですもの」
『なら簡単だねん(*´ω`*)』
「そう、簡単ですわね。
でも、私、ただで逃げるのは嫌ですのよ。
だって、ここは私のお家なんですもの。
ここの人間も何もかも、私の物でしてよ。
ねぇ、そのあたりどう考えてますの?
馬鹿にした事を質問してきますのね。
私、逃げるのは命大事に必要な行動だと理解していますわよ。
でも、ここの全ては私の物でしてよ。
おわかりかしら?
何で私の物を誰かに譲り渡さねばなりませんの?
教えていただけるかしら」
( ゚∀゚)・∵. グハッ!!
「ウエイ、ちょっと不愉快だから、そこの弟を黙らせなさい」
「御意」
「兄者、イタイ、イタイ゚(゚´ω`゚)゚。」
『ごめんち、るいるい(´-`)』
「天魔くん、何が起きたとしても、あげたくない場合はどうするのかしら?
わかるわよね?
私、良い子でも善人でもありませんのよ。
まずは、何が起きるのか見定めたいわ。
そして奪われるなら、灰にするのよ。
助ける?
助かるかも知れないわね。自力でそれぞれ逃げればいいわ。
その途中でゲスな女も死ぬかも知れないでしょうけど。
貴方が言う通り、私はルイーズたんの分まで生き残るつもりよ。
さて、意見のすり合わせは済んだわね。
さぁ準備準備、何が起きても起きなくても、準備するわ。
ほら、何を皆、ぼんやりしているの?
天魔くん?」
『うん、るいるいの言うとおりだね。
ぼくっちも鈍って馬鹿になっていたっち(*´ω`*)
そうだよねぇ、嫌なものは嫌だしねぇ、まぁ現物を見てからでも逃げられるしぃ。
いざとなったら、そうだね。
そうだねぇ、うぇいうぇい、もし引き払う時は、盛大にしようか』
「そうですな、多少、派手に騒げば習性上集まってくるでしょう」
「話は決まったのかしら?」
『うん、るいるいは物資確保したら、また、休んでね。』
「そういえばわんわんが戻っていませんね。後で呼ばなきゃ」
『れんれん、ついでに探してきてぇ』
「あのイカ、シビシビ攻撃してくるんすよぅ」
「あぁ犬が順位付けしてるんすっよ、レンレンの兄ちゃん。どうやら、あんたら兄弟は下にみて
るかもね。アタシはご飯係ってポジでお嬢様が一番上、閣下の事は何か別枠って感じですかね」
「あのイカ、焼きイカにしてくれるわ」
「兄者、それは後回しでしょ。お嬢様のペットだし、しかたないじゃん」
出ていく魔人達を見送る。
「で、天魔くん。
何が起きると思ってるの?
それによっては備蓄する品を選ばなくちゃならないわ。」
『おおよそは、るいるいが想像した事があたっていると思う。
ホーデイドで、困ったことが起きた。
君が言う疫病みたいな感じかな?
たぶん、中で死人が出てる。
国軍は中の人間を外に出さないようにしているんだと思う』
「なるほど。
だから、逃げる準備ね。
感染力、高いようだったら、今回のおたふく風邪のように中の人間はあっというまに病人になるって訳ね。
ちょっとしたテロ攻撃よね。
なぜ、司教達は外に出られたのかしら、宗教とかお金の力かしら?」
『わからないけれど、ぼくっちは彼らが来る前に逃走をすすめたのん。
けれど、そうだね、るいるいの言う通りだ。
敵が何かを見定めてから、逃げたほうがいい場合もある。
闇雲に逃げても、逃げ先が火事では死にに行くようなものだしね。
それに何も渡さない、誰かを助けないなら、どうにでもなる話だ。
ぼくっちちょっと最近負け癖がついていたみたいだね。
もっとイケイケドンドンな考え方をしなくちゃ天魔らしくないっち。』
「だんだんと死語とお笑い体質の汚染が深刻度をましてきましたね。
まぁそれでは感染対策はマスク、手洗い、嗽でしょうか?」
『ソノラぁ〜生活用品のさらなる調達をるいるいとしてきて。
バレなきゃいい具合でお願い。
書類や金目の物もだよん。
今回だけ限界パージしちゃうぞ(*´ω`*)』
「あざっす、閣下。良かったですね、お嬢様\(^o^)/」
「どういう事?」
「無限収納今回限り使って良いそうっすよ。
今日は、午後のお昼寝の時間まで物色タイムっすよぅ。(σ・∀・)σゲッツ!!」
中々に、絶望的な何かが始まるってことですね。
『予想だよぅ(*´ω`*)』
***
さて、お昼ご飯までは、お優雅に散策ですね。
本館では客を迎えるのにバタバタと忙しそうですし、厨房も今から色々と準備に奔走しています。
「接待関係の場所さえ避ければ、逆に手薄になる場所も増えます。
病人だった奴らも動き出したようですし、どうせなら、本館東側は諦めて西側を攻略しますか?」
「宝物や財産のある場所は東でしょう?」
「えぇ」
「では、ヘルベルトの印璽とか重要そうな品を今のうちに返してもらいましょう。」
「いやいやいや、お嬢様、見つかっちゃいますよ?」
「大丈夫よ、ソノラ。へいっ、わんわん召喚っ!」
ぬるりっくコ:彡わふっ!
「まじかっ( Д ) ゚ ゚」
『( Д ) ゚ ゚』
「えぇちょっと電波が通じやすいというか、一晩寝ている内に、わんわんとお話ができるようになりました。
何だかずっと囁き声もして、ちょっと脳みそが痒いような感じも。何か脳みそに目が生えたような気もします。まぁ気の所為ですわよね」
「やべぇっす、この犬、何しやがんだよ、うちのお嬢様にっ」
「あらあら、蹴らないでちょうだい。
どうやら、お話相手が皆遠くに行ってしまって、久方ぶりの事でワクワクしているようよ。
海辺に放流したら、もっと頑張るって、可愛いわよね」
「やべぇっ、閣下、これ増えるタイプの例の海の底のアレじゃぁないっすか?」
『まっまぁぼくっちがいる限り発狂完全防御だし、大丈夫だと思うよ。それに昔から協力体制は取れてたし、たぶん(つд⊂)』
「説得力ゼロっすよぅ」
「まぁまぁ、わんわんのシャドウ系隠密機能で覆ってもらいましょう。
そうすれば出入りはバレませんし、万が一バレたら、ボッシュートで証拠隠滅ですわ。
さぁいざ征かん、金目の物をしまっちゃうぞぅ」
で、最初に訪れたのが、人が行き来する東側です。
迎賓の為の広間やらなんやら、上級使用人も復帰したのでしょうお仕着せを来た者が大勢動き回っております。
ソノラと私、わんわんは、その中を人を避けながら進みます。
黒い靄をまとった私達は、本来なら驚愕する姿でしょう。
けれど、白昼堂々、無言で人の行き来の間を抜けていきます。
このシャドウ系の幻惑効果は、ちょっとした接触や会話などで解除されてしまいます。
なので無言で人の波を乗り越えていくのです。
黒い靄ならさぞかし目立つところですが、靄は鏡のように光りを反射してステルス状態、光学迷彩になっているようです。
素晴らしいですわ、犬!
くコ:彡わふっわふっ(がんばるワン)
『あざといっち(ー_ー)!!ぼくっちもあっぴーるせねばっ』
さて、どうどうとアネットの書斎にたどり着きました。
現在、入口は開け放たれています。
「奥様、書簡の戻りが遅いと思っておりましたが、どうやら旦那様の元へと届いていないようです。」
「どういう事?」
「街道封鎖の影響もありましょうが、非常に治安が低下しているようです。
国軍も街道や主だった関に置かれたようですが、各都市間の街や村落が襲撃にあっているようです。」
「規模は?」
「王都より東、東南部の内地側。沿岸部や西部ではそうした動きは、まだかと」
「反乱勢力ですか?」
「王兄派閥の監視からは何も、沿岸部のアシュトン騎士団もですが、変化はありません。
今、動いているのは王国軍に教会の聖騎士団の方です。」
「どういう事なのかしら」
「奥様、本日のお客様は」
まぁ不味いわよね。
彼らも己が武力は無いも同然と多少はわかっているでしょう。
そんな場所に目的も何もわからない宗教者の集団を入れるなんて。
それも主人のお父様と連絡が取れない。
男爵は北上部隊やら封鎖協力へと防衛力を回して大忙し。
ここは無防備だ。
信頼ならない傭兵達と少数の騎士。
まぁ私には関係の無い事よね。
では、堂々と物色をしたいと思います。
『ちなみにここにいる者は、皆、聖霊も天魔も、憑き物つきは一人もいないし、魔法使いもいないね。
もう正真正銘の一般の民だねぇ。
何を勘違いしちゃったんだろうねぇ』
そうね、平和な時代なら、彼らも報われたでしょうねぇ。
でも、私はヒロインでありませんから、どうどうと金庫の部屋へと向かうのです。
だって、これ、私の物でしてよ?
と、彼らの眼の前で分厚いビロードの布をめくります。
彼らには、何も変化は見えません。
まぁ流石に音は聞こえるし不審に思われてはなりません。
布をめくると扉です。
暗証番号は?
「奥様、ヨハンセンが戻りました。」
「こちらに」
召使の耳打ちに、ママ上は顔色を変えると部屋から出ていきました。
報告をしていた侍従もついていきます。
残るのは書類の整理をしている侍女です。
ママ上付きの侍女で男爵家の者ですね。
「わんわんヨロシクゥ」
敢えて声を出しました。
驚いた侍女がこちらを見ます。
何かを言おうとお口が開かれて、そして白目。
「さすがお嬢様っすね、えげつねぇ」
わんわんに捕食してもらいました。
全部は食べていません。
ちょっと、お味見程度です。
「金庫部屋の扉を開けて頂戴」
侍女の動きはギクシャクしていて、ひと目で異変が分かる感じです。
連れて歩くには目立ちすぎですね。
扉を開けてもらいながら、わんわんに確認します。
「カルマ値が低いようなら、その辺に転がしておきなさい。腐っているようなら、食べていいわよ。」
お利口なわんわんは、侍女を長椅子に横たえました。
「おりこうですわ、ご褒美に後でレンレンで遊んでいいわ」
「お嬢様、何気にひでぇっす」
「じゃぁソノラで遊ぶにしようかしら?」
「嫌っすよぅお嬢様ぁ、レンレンの兄ちゃんも喜んでますよぅ」
「手のひらクルンですわね。まぁ大丈夫よ、わんわんは思うより強力な魔物のようですし、レンレンより存在値が低いとダメージになっちゃうのも分かるわ。
私、これでもパワハラ系ではなくってよ」
「知ってますぅ、お嬢様はちょっぴりチクチクするドS上司タイプっす。けど好きっす(*´ω`*)」
「その感覚がわからないのよねぇ」
『まぁ魔物的に、ちょっぴりチクチクしてないと舐めてくるからいいんじゃない?(´ε` )』
注)因みに、わんわんのお味見だとランダムで記憶が消える仕様です。
転生悪役令嬢、ジャンルはホラーですの C&Y(しーあんどわい) @c-and-y
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