作り込まれた世界観とストーリーを彩るのが戦闘描写!

Xの企画で参りました。
最初から第四章の七話まで読みました。


神が支配した時代から人間の時代になり30年。
平和が訪れた世界で隠遁生活をしているはずの主人公。
弟子に連れられて隠していたはずの「神殺し」を暴かれて――

お話の始まりは某「片田舎の~」と似たところがありますが内容はまったく異なります。
「運命」という名の特殊能力を使いこなす登場人物たち。
研鑽した技に魂を込めて繰り出す一撃。
シリアス成分が多めの格好良い描写が満載です。

王都へ連れられた主人公はやがて師範として認められ。
弟子たちを助けるために他国へと旅をして。
やがて神に成り代わる組織との対立へと巻き込まれ。
主人公の人を守りたいという性格がよく表れていて好感が持てます。

そんな主人公の神殺しの過去も第三章で触れられています。
どうして強くなったのか。
どうして神を憎んだのか。
どうやって神を屠ったのか。

そうして弟子たちとの関係も少しずつ変化していくところも面白いです。
こういった濃厚なストーリーがこの物語の魅力のひとつでしょう。


この作り込まれた世界観とストーリーを彩るのが戦闘描写。
主要なキャラクターの誰もが軽々に扱われないところが良いです。
出オチのようなことはなくしっかりと技と技の応酬を魅せてくれます。
特殊能力「運命」への呼び掛けも○。
迫力のあるシーンが満載です。


ひとつひとつのお話が濃いので、短くても読み応えがあります。
この世界観にどっぷり浸かって時間をかけて楽しむ。
そんな小説です。
強者の戦闘シーンがお好きな方には是非、読んでもらいたい一作です!

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