なんというのかな。僕は、この作品にコメントできるポジションにないのだけれども。なんというか、もちろん、この作品が現代の全ての女性を代表している訳でもないのだろうけど。ただ、なんというのだろう、この作品の、ストレートな感性は、良いです。「始まり」は、いつだって期待と不安。でも、それを、ストレートに伝え合える関係は、大切な、きっと大切な関係なのだと思います。
読んだ後、「ああ、そうだ、その通りだな」と深く頷いてしまった。少し前までは、当たり前、のような、ごく自然で、『そんなことに疑問を持ってはいけない』かのごとく存在していた営み。でもきっと、もっと疑問を持ったり、疑ったり、突き詰めたりしてもいいことなんだ。女性が女性として最大限の力を発揮する『出産』という行為。そのあと、さも当たり前のようについてくる『育児』という作業。不安と葛藤と、喜びと慈しみ。五感全てでこの物語を読んでほしい。とても、よかった。
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