数百年に一度の大聖女様が放つ、一人称「俺」に刺さりまくります

下級聖女のマルティアは、ほかの聖女達から虐げられていました。聖女として大きな力を持たない彼女の髪は、雪のような白色。穢れを知らない清らかで美しい御髪――かと思えるのですが、作中の世界では忌むべき髪色として見なされていたのでした。

白髪の良さが分からないなんて、何と無粋な! と拳を握りたくなる気持ちは、どうにか抑えてくださいませ。大聖女ミシェル様が、颯爽と手を差し伸べてくれますから。

麗しくて優しいミシェル様をお世話することで、自己評価の低いマルティアの心が甘く溶かされていく、ガールズラブを刮目せよ!

と、言いたいところなのですが。タイトルの大聖女の後に表記された記号、お気づきになられました?
ミシェル様は訳ありの大聖女様。うっかり彼女の秘密を知ってしまったマルティアの日常は、賑やかなものに変わっていくのでした。


ミシェル様に翻弄されるマルティアは、世間知らずでときに大胆な行動に出ることも。無自覚なマルティアの危なっかしさに、思わず顔面を隠したくなります。そんなマルティアに、普段隠している本性をのぞかせるミシェル様。読者がうっかり塵になるほど、二人のやりとりは天にも昇る心地になりますよ!

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