どうしたらこんな

表現が思い浮かぶんだろう、というのが読み始めて最初に思った印象でした!
1章を読み終えて区切りが良いためのレビュー投稿となります!

詩的な表現と言っていいのかわかりませんが、言葉で読み手を惹きこむという感覚を覚える素敵であり怖い作品でした!
とても丁寧・・・繊細と言ってもよい導入から始まるのですが、用意されている話の締めの言葉、捻り出したのではなく自然と息をはくように語られた言葉で一気に物語に意識をもっていかれました。
言葉の選択が素敵な物語なのですが、その言葉に惹きつけられる分、『重い』展開の胸の締め付け具合も比例しているので注意が必要ということだけは伝えておきたいです!
また、全体的に物語として静かな印象を受けるのは、上記の通り場面ではなく物語に集中しているからなんだな、と納得もできます!

読んでいてリズムが良い、というのはこのような作品なのだと教えてもらっているようです。
それは些細な表現の切れ端でもどのような状況で。どのような心境で。を咀嚼せずに理解できるような描き方、ひいては作者様の筆力の高さの表れではないかと・・・!
個人的に余白の多い〇〇などの表現は普段何気ない中で見ているけど、意識してない部分にも関わらず一発で伝わってくるような扱い方に静かに1人感心してしまっていました・・・

物語の内部は下手に私の言葉で綴ってしまうとこれから読む方の妨げ、およびネタバレを含んでしまいそうなので・・・ですが、情緒溢れる表現だからこそ、不意に現れる直球表現が不純物なしで胸に突き刺さってきました!

ちょっと着地点がよめないのですが、前向きな形を思わず望んでしまう物語。
静かな夜にじっくりと読むことをおすすめします!

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